ドラ魂キング

体温より高い気温を観測。どうやって生きていけばいいの!?

8月3日放送『ドラ魂キング』の「ニュース解説」の時間では、「気温が体温を上回る猛暑、人の身体はどうなるの?」を取り上げました。

イギリスの大学教授が、気温が体温より高くなった場合に、人間の身体がどう反応するか分析する実験を行いました。その結果、また暑さ対策のポイントとは?
高田寛之アナウンサーがCBC論説室の後藤克幸特別解説委員に聞きました。

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体温より高い気温

放送日の8月3日も石川県小松市で39度、福岡県太宰府で38.6度を観測しました。
体温より高い気温が当たり前のようになってきて、非常に恐ろしい猛暑を各地で記録しています。

国連でも「地球温暖化」ではなくて「沸騰化」(boiling)だ、という言葉も出るほどです。

体温より気温の方が高いと人間の身体はどうなるのでしょう?
この疑問を解明しようとする実験がイギリスで行われ、7月31日の月曜にイギリスのニュースで配信されました。

40度を体験したら

実験を行ったのはイギリスのサウスウェールズ大学のベイリー教授で、BBCの科学担当記者の体験リポートという形で報道されました。

大学の環境制御室に記者が入って、中の温度を21度から40度まで、1時間かけてゆっくり上昇させます。

その間、皮膚の表面の温度と内臓の温度の変化、心拍数、血圧、体重を測定し、吐く息の中に含まれる酸素濃度などを分析。
さらに超音波診断装置で脳に流れる血流の変化も観測し、記録分析しました。

結果どうなった?

その結果、気温が35度を超える頃から、身体の皮膚の色が赤みを帯びてきました。
これは教授によると、体内の熱を逃がすために皮膚の表面の血管が拡張して血流を増やしてくるためです。

その代わり、心臓はたくさん皮膚に血液を送り出すために、一生懸命ポンプで働くので心拍数が上がります。

それとともに皮膚に送られる血液の量が増える分、相対的に脳の方に送られる血流が減少してきたそうです。

これにより、脳の機能も低下することが判明しました。
実験前後の記憶力テストで、正解率が温度上昇によって下がっていたというのです。

脳の機能低下も

この実験により、気温が体温を上回ると、人間の身体は体温を保つために様々な反応をする代わり、大きな負担がかかっていることが明確になったようです。

今回の実験は1時間で終了しましたが、もしこういった高い気温の状況が長時間になってくると、体温37度をキープし続けることが難しくなってきて、脳の機能も低下します。
そして、さまざまな臓器不全を起こす危険性が高まると警告しています。

高田「外で働く方は特に注意が必要ですね」

暑さ対策にアドバイス

ベイリー教授は、今回の実験をふまえた上で、このようなアドバイスをしています。

人間、身体の温度を保つために一番大事な機能は汗を出すことです。蒸発させることで身体を冷やしています。その意味ではゆったりとした服を着てください。
なぜなら汗が蒸発しやすくなるから、ということです。

また日焼けを避けることが重要です。なぜなら日焼けによって皮膚が炎症を起こすと、発汗による体温調節機能が極めて低下してくるからです。

常識ですが、水分はしっかりとる。今回の実験では1時間で400ccが汗となって身体の外に出たということです。

しかもベイリー教授はこう警告しています。

「この実験は将来のことではなく、まさに今起きている問題です」

後藤委員は「温暖化対策は待ったなしです。これが続くと人間の存続にもかかわる問題が起きてくる警告だと思います」と締めました。
(みず)
 
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2023年08月03日17時02分~抜粋

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