ドラ魂キング

中日OB・中村武志が、オールスターの時だけ星野監督のそばにいた理由

7月17日、元中日ドラゴンズ捕手で野球評論家の中村武志さんが、CBCラジオ『ドラ魂キング』に出演し、オールスターゲーム出場の思い出を語りました。

普段は星野仙一監督(当時)の鉄拳制裁から避けていた中村さんですが、オールスターゲームは特別な場所だったようです。

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オールスターは勲章

現役時代に名捕手と呼ばれた中村さんは、1988~1991年、1993年、1996年、1998年、2001年とオールスターゲームに8回出場しています。 

1988年、初めて出場したオールスターゲームは、自身のホームであるナゴヤ球場。
そして10年後の1998年はナゴヤドームができて初めてのオールスターゲームでした。
オールスターゲームの印象を聞きました。 

中村「オールスターですから、みんな出たい。我々の時は出場がひとつの勲章でした。ただ、僕は本当に出ていいのかな?ってちょっともじもじしてましたね」 

キャッチャーは3人選ばれます。他の野手に比べれば「キャッチャーは運が良ければ選ばれる」と謙遜する中村さんですが、運だけでは無理です。 

この時だけそばにいた

初めて出場したナゴヤ球場でのオールスターゲームでは、ずっと星野さんのそばから離れなかったという中村さん。 

この時セ・リーグを率いていたのは巨人の王貞治監督。中日監督の星野さん、広島監督の阿南準郎さんがコーチを務めました。 

中村「シーズン中は思いっきり離れますけど、あそこにいれば誰からも何も言われないと思って、ずっとくっついてましたね。そういう印象はありますね」 

当時は今ほど他球団の選手との交流はありませんでした。
野球以外の雑用的なことで何をすればいいかわからなかったので、誰からも何も言われない安全地帯・星野さんの傍にいたそうです。 

チーム状況を聞き出す

星野さんの近くにいたのは、他球団の選手から話しかけられたくないためだけではありませんでした。 

「僕ら若手より10歳ぐらい違う人が出てるわけですから。『どうなんだお前んとこ』ってチーム状況を上手に聞かれるんですよ。若いのとやっぱり話すじゃないですか」 

ひとりでいるよりも星野さんの隣にいれば、誰も近寄ってこないのでとりあえず安全。いつも怖い監督がそういう時には心強かったんだとか。 

中村さんいわく、特に中日の選手は狙われがちだったそうです。
そのためか、ベンチでは中日の選手は監督やコーチの近くにいたんだとか。 

ベテランは居酒屋トーク

中村さんの時代のオールスターゲームの代表的な選手は、セ・リーグでは巨人の原辰徳さんだったそうです。
そしてパ・リーグは? 

中村「パ・リーグの人は、なんか結構いかつい人が多かったような気がします」 

今でこそ温厚な山田久志さんも、阪急ブレーブスの現役時代はノックバットを手にセ・リーグのベンチに殴り込みをかけた、とのエピソードもあるとか。 

中村「今はどうかわかんないですけど、ベテランの人たちは、わいわいがやがや居酒屋トークしてました」 

現在ではセ・パ交流戦もあります。自主トレもチーム、リーグの枠は関係なく一緒にする時代。ここぞとばかりに居酒屋トークになることはないようです。
時代の違いを感じる、中村さんのオールスターゲームの思い出でした。 
(尾関) 
 
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2023年07月17日17時12分~抜粋

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