元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の今中慎二さんが、11月10日放送の『ドラ魂キング』(CBCラジオ)に出演し、今シーズン活躍したドラゴンズの若手選手について解説しました。
岡林勇希選手の2年目のジンクスへの懸念、侍ジャパンに選ばれた髙橋宏斗投手への懸念などが話題となりました。
チームに刺激は入った
今中さんも旧知の間柄で、現役時代一緒に戦ってきた立浪和義さんが監督1年目の今シーズン。終わってみたら最下位という結果でした。
今中「監督やるって言った時に、最初から若い選手を使うというプランはあったので、その辺はうまくいったんじゃないですかね」
順位は、最下位も5位も4位も一緒なんだそうです。やはり1位とそれ以外というイメージ。
チームに関して「ぬるま湯にどっぷり浸かってる中堅クラスが多いもんですから、そこを刺激しないことにはチーム力が上がらないんです」と厳しい今中さん。
最下位にはなったものの、刺激は入ったという意見でした。
シーズンフル出場の意味
若手の起用で最もうまくいったのが岡林勇希選手という今中さん。最多安打も獲得しました。
今中「今まで一軍の経験がなかった選手が、結果だけじゃなくて1年間怪我せずにやったところが一番です」
シーズンにフル出場する苦労は野手もピッチャーも同じ。
少しずつ休みを入れて、周りのスタッフが選手の状態に気を遣うことが必要なんだとか。
ちなみにかつての選手は休みなく酷使されていたそうです。
今中「1年間やったことに関しては自信にはなると思います」
本人が招く2年目のジンクス
若い選手で1年目に結果を出す選手は、勢いで結果に繋がる選手が大半なんだそうです。
今中「なぜ良い結果が出たかがわかっている選手は2年、3年とずっと続いていきます。
わかってない人は次の年のスランプに入った時に抜け出せなくなって、違う選手が出て来るっていうパターンが多いですよね」
いわゆる「2年目のジンクス」が、それに当たるようです。
今中「2年目って相手が研究したから2年目のジンクスじゃないんですよ。本人の意識です。相手が研究して攻略できるなら、みんな、毎年攻略しますよ」
結局1年目に良かった理由を本人がわかっていないと、2年目の成績には繋がらないとか。
今中「前年のことがわかっていれば、困った時にもスッと直せて、スランプ期間も短くて結果が出るということですよね。そこが一番大事な部分です」
祝・侍ジャパン選出。しかし…
2年目の今シーズン、初めて一軍に上がり、飛躍を遂げた髙橋宏斗投手は侍ジャパン日本代表にも選ばれました。
ところが、今中さんはこの侍ジャパン入りを懸念します。
今中「ここは難しいところですね。投げては抹消して、あれだけ大事に大事にやってきたのが、ほぼ休みなしでまだ投げてるわけでしょ?」
11月4日、髙橋宏斗投手は侍ジャパンの練習に初参加。今中さんは、チームのキャンプならまだしも、侍ジャパンは緊張感が違うと言います。
来年、開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本の初戦は3月9日。
WBC経験のない髙橋宏斗投手からすれば、早めに仕上げておこうとなるのは当然のこと。
この先、オフらしいオフがない状態が続きます。
期待値は高し
今中「ましてや一軍経験は今年初めて。すごかったけど、まだやってる。12月は束の間。1月にはすぐ始動でしょ?
3月が本戦なんで休まず行く感じですよね。WBCもいいんですけど、年齢層を上げてあげればいいのにと思うんですよ」
WBCに年齢制限はありません。去年の東京オリンピック野球の侍ジャパン平均年齢は28.4歳。最年少はヤクルトの村上宗隆選手で21歳。
最年長はドラゴンズの大野雄大投手をはじめ33歳が5人いました。
今回、侍ジャパン入りした髙橋宏斗投手は20歳。これまでで最年少です。
今中「佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)とか髙橋宏斗とか、若い選手を見たいですよ。だから日程がタイトなんですよ。シーズンに入って、何かあったらどうするんだろう?と思う。心配事はそこぐらいかな。期待値は高いよね」
岡林勇希選手、髙橋宏斗投手を心配しつつも期待するドラゴンズの先輩、今中さんでした。
(尾関)
ドラ魂キング
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2022年11月10日18時19分~抜粋