ドラ魂キング

新型コロナ第7波突入。感染再拡大の理由、第6波との違いは?

新型コロナの新規感染者数が13日に9万人を超え、今年の2月に過去最多を記録した10万4000人に迫る勢いです。政府の専門家会議は第7波に突入したとの認識を示しました。

7月14日放送の『ドラ魂キング』、各分野の専門家・エキスパートが世の中の出来事をコンパクトに解説する「エキスパ」のコーナーでは、CBC論説室の後藤克幸解説委員が、感染が再拡大した理由と、第6波との違いについて解説しました。

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世界的な再拡大

今回の感染拡大について、専門家はどう分析しているのでしょうか。

専門家が警告している根拠となっているのは、すべての都道府県で感染者数の増加が続いているということ。さらに、前の週の2倍以上と急速に拡大している都府県が32か所もあるということ。

これらのことから専門家は、「すでに第7波に入ってきている」という認識を示しています。

日本だけではなく、世界で同じことが起きています。アメリカ・フランス・ドイツ・イタリアの現状をWHOのデータで調べると、いずれの国も5月まで確かに収まっていた感染者数が、6~7月にかけて再拡大の傾向が続いています。

オミクロン株系「BA.5」への置き換わり

世界の感染症専門機関、また日本の専門家会議の発言に共通しているのは、「感染力が強いオミクロン株系の「BA.5」の割合が患者の中に増えている」ということ。従来型のオミクロン株からこの「BA.5」への置き換わりがかなりのスピードで進んでいることが、今回の拡大の要因といわれています。

2~3月に打ったワクチンの効果が低下していること、ワクチンを3回接種した人の割合の低さも要因のひとつです。

3回接種した人は、65歳以上では90%ですが、30~40代は30~50%。今回の拡大局面でも若い世代に患者が増えています。

来月には「BA.5」が100%に

感染が急拡大している「BA.5」に、重症化する危険度が高いことを示すデータは今のところないといわれていますが、詳しいことはまだわかっていません。

実験室レベルでは「肺炎になりやすい」というデータを出している研究機関もありますが、まだ検証不足な点もあるため、多くの専門家は「BA.5」が重症化するかどうかは現時点では不明としています。

日本では7割以上が「BA.5」で、来月には100%になるだろうと予測しています。

感染しやすい、免疫をすり抜けやすいタイプのウイルスが増えているということは、感染者がまだまだ増える可能性があるということです。

重症者が少ない傾向

最近の感染者数はかなり右肩上がりに増えていますが、第7波は「重症者が少ない」傾向にあります。

第6波の重症者は、連日10万人規模で感染者を出していたピーク時で、全国に1,500人ほど。
第7波の現在は90人。第6波の時に訪れた「医療の逼迫」という状況ではありません。

政府は現時点では新たな行動制限を伴う対策は考えていませんが、旅行を促して支援する政策は見送る方針を決めています。夏休みの旅行需要には大打撃です。

私たちができることは、やはりワクチンを接種すること。重症化を防ぎ、感染予防にもつながります。

高齢者や持病のある人には4回目の接種の案内も届き始めています。4回目の接種が加速すると、社会的な感染者の増大を抑える効果があるということです。
(minto)
 
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2022年07月14日17時09分~抜粋

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