ドラ魂キング

勝った方が優勝!28年前の「10.8」を落合博満が振り返る

6月16日『ドラ魂キング』では、野球解説者の落合博満さんに「10.8決戦」をテーマに話を聞きました。

「10.8決戦」とは、1994年(平成6年)10月8日に行われた、高木守道監督率いるドラゴンズと、長嶋茂雄監督が率いるジャイアンツによる優勝決定戦のこと。

リーグ公式戦で、最終戦時の勝率が同率首位で並ぶチーム同士が直接対決するのは、日本のプロ野球史において初めてのことでした。

[この番組の画像一覧を見る]

球場の雰囲気が違う

落合「ちょっと球場の雰囲気が変わってたね。観客がざわついてたよ」

1994年のペナントレースは、10月8日の最終試合まで優勝チームが決まりませんでした。
ドラゴンズ、ジャイアンツとも69勝60敗のまま、ナゴヤ球場で最終決戦を迎えました。
結果は6対3でジャイアンツが勝ち、リーグ優勝を決めました。

長嶋茂雄監督(当時)はこの一戦を「国民的行事」と称しました。
当時の落合博満さんは、ドラゴンズからジャイアンツへ移籍した1年目。
4番ファーストでのスタメン出場選手としてこの10.8に臨みました。

デッドボールの連続

落合さんは、前年オフに導入されたFA制度を利用して、「長嶋監督を胴上げする」ためにジャイアンツに移籍しました。

この年は「デッドボールの連続だったよ。散々な年でしたよ」と言う落合さん。
脇腹にぶつけられて肋骨を骨折しながらのゲーム出場。やっと、まともな練習ができると思ったら、今度は手にデッドボールを受けるという苦いシーズンでした。

この1994年は6つのデッドボールを受けています。もちろん落合さんにとって自己最多ですが、1981年(昭和56年)のロッテ時代にも6つ受けていました。

読まれていた今中登板

「10.8」で先制したのはジャイアンツ。2回に落合選手が放ったソロホームランでした。
一方ドラゴンズのピッチャーは今中慎二投手。

落合「なんで今中だったんだろうなって。
ローテーション的にいきゃあ今中じゃなかったんじゃないのかな。あの年、ジャイアンツにずっと勝ってたから今中だったのか。
高木さんが亡くなっちゃったから真相解明できないけども…」

今中投手は、ナゴヤ球場での対ジャイアンツ戦ではめっぽう強く、この試合まで11連勝中でした。
予告先発がなかった当時、ジャイアンツは今中投手の登板を読んでいたそうです。

真っすぐをホームラン

落合「今中に『お前のカーブだったら、いつでも打てるよ』って言ったことあるもん、俺」

いわく、当時の今中投手はカーブを投げる時に「フォームが緩んじゃう」特徴があったそうです。

前年までチームメイトだった今中投手を相手にした心境は…。

落合「今中が来てマウンドで投げる。それで対戦するだけのことですよ。真っすぐ一本です」

対今中投手の成績は通算3割5分4厘でホームラン5本。
今中投手は独特の大きなスローカーブで多数の打者を翻弄していましたが、数字からは落合さんにとって得意な投手だったことがわかります。

落合「真っすぐ一本。どんなピッチャーに対しても真っすぐ一本なんだけどね」

2回表に放ったホームランはやはりストレートを打ったもの。
「10.8」はソロ弾から動き始めたのです。 
(尾関)
 
ドラ魂キング
この記事をで聴く

2022年06月16日16時19分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報