毎年この時期に日本陸上競技選手権大会(以下、陸上日本選手権)が行われます。
ここで来月行われる世界陸上競技選手権大会(以下、世界陸上)に出場する選手が決まります。
106回目となる今回は、6月9日から12日の間に行われています。
6月9日のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、女子走り幅跳び日本記録保持者の井村久美子さんに、今大会について聞きました。
聞き手は西村俊仁アナウンサーです。
井村久美子さんプロフィール
井村さんは山形県酒田市出身で、世界陸上へは4回出場しています。
アジア大会では金メダルを獲得し、日本選手権では優勝6回の実績を持っています。
現在は結婚して三重県鈴鹿市に拠点を移し、ジュニアの指導に当たっています。
西村「井村久美子さんというお名前ですが、オールドファンにとったら池田久美子さんとご紹介すると有名な方ですよね」
西村アナは昔からの陸上ファン。
井村「選手時代はイケクミという愛称で応援していただきました」
西村「天才少女とか美少女ジャンパーとか、いろんな異名を持っていたイケクミさん、井村久美子さんですが、日本選手権優勝6回なんですね」
井村「そうなんですね。私もこうやって聞いて、改めて知りました」
中学生には怖い世界
陸上日本選手権は、名前の通り日本で速い、投げる、飛ぶの日本で一番を競う大会。
出場記録さえあれば、何歳でも出場できるそうです。
イケクミ時代の井村さん、初出場初出場は中学校二年生、14歳の時。
この時のことは何も覚えておらず、「わーなんかすごいところだー」で終わったそうです。その時の印象をこう語りました。
「雰囲気とか、みなさんのピリピリムードが伝わってきて、中学生では体験したことのない緊迫感で、恐ろしいイメージの方が大きかったですね」
注目は大学一年生
今回の陸上日本選手権で井村さんが注目するのは男子100メートル。
桐生祥秀選手と山縣亮太選手が9秒台だと話題になる中で出てきたのが、東洋大学一年生の柳田大輝選手。大学一年生ながら10秒19の記録を持っています。
井村「その子がバーンと一番に出てくるんじゃないかってところが私的には見所ですね」
今回の日本選手権は世界陸上の選考会も兼ねています。
井村「ここで順位と参加標準記録を破ると世界陸上の選考にかかります。その日のその時間に記録を出さなきゃいけないというのがピリピリですね」
世界で戦うにはメンタルの強さも必要です。
短期間で気持ちを切り替える
世界陸上への出場権を手にしても安心はできません。
西村「ちなみに井村さんは日本選手権からの世界陸上、どんな気持ちで、短い間の調整をされてたんですか?」
井村「優勝すると、まずはみなさん『おめでとう、すごいね』っていう嵐が殺到するんですね」
そうなると、やり切った感で安心するんだそうですが…。世界陸上はすぐ。
井村「いやいや、それどころじゃない!ちゃんと調整して、来月、世界大会迎えなきゃって。気持ちのオンとオフの切り替えが大変だなって感じましたね」
日本選手権の翌月が世界陸上。今年は7月15日からアメリカのオレゴン州ユージーンで行われます。
いかつい男子がハートマーク
日本選手権、そして来月の世界陸上。
陸上のエキスパートならではの井村さんの注目ポイントは、各種目スタート前の選手紹介。例えば100メートル走。選手名のコールの後に、各選手はいろんなポーズをとります。
選手は気合を入れるためにガッツポーズを決めると思いきや…
井村「実は怖いのを払しょくするために可愛いポーズをとってみたりする。それぞれの選手の見掛けとポーズのギャップを見て欲しいですね」
西村「例えば第1レーン、手を上げます。その後に何かワンポーズあるわけですね」
井村「例えば、怖い、いかつそうな選手が手を挙げた後に、胸の前でハートマークを決めてたり」
西村「キュンキュンポーズをするわけですか?」
井村「結構多かったりしますね、男子選手」
西村「男子が?」
井村「意外にそうなんですよ。その意外にってところが注目なんですね」
スタート前のポーズには、リラックス効果もあるんだそうです。
リオオリンピックでは400メートルリレーの日本代表4人は刀を抜くポーズ。
東京オリンピックでは外国人選手によるカメハメ波、ジョジョ立ちポーズが多くみられました。
井村「そのために、わざと自分じゃなさそうなキャラをポーズに出すことはありますね」
世界陸上を見る際にはスタート前のポーズに注目です。
(尾関)
CBC
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2022年06月09日17時07分~抜粋