パーソナリティが日替わりで、いま気になることや趣味を語る『ドラ魂キング』「趣味コレ」のコーナー。毎週木曜日は、スーパーで食材を探すことが大好きな柳沢彩美アナウンサーが、気になった食材の疑問を調査しています。
1月13日の放送では、「プリンはなぜ3個セット?」という疑問を取り上げました。確かにセットで売られているイメージがあるプリン。その意外な理由に、西村俊仁アナウンサーが激怒しました。
お父さんは仲間外れ
「森永プリン」でおなじみの森永乳業株式会社 広報のワタナベさんに、柳沢が話を伺いました。
早速、本題に入ります。
1つめの疑問は「どうしてプリンは3個セットなの?」
それはズバリ「お父さんがおやつの時間にいないから」です。
この驚きの答えに、「えっ!ちょっとそういう理由?」と、西村は"お父さん"の立場として納得がいかない様子。
柳沢「お父さんだけ仲間外れになっちゃってるんです(笑)」
西村「ちょっと聞き捨てならんな!これは」
家族みんなが食べるおやつ
不服そうな西村をよそに、まずはゼリーもプリンも全部ひっくるめた「家庭で食べるデザート」の歴史を振り返ります。
ケーキ屋さんではなく、スーパーなど大型店で売られる量産タイプのデザートができたのは、1971年(昭和46年)のこと。
実は、森永乳業の「森永プリン」がこの元祖にあたります。
洋食文化がどんどん入ってきていた当時、家庭で楽しむデザートとして開発・販売されました。
ただ販売当初は、「甘いもの好きな方が買う」という想定で、セットではなく1個ずつの"個食タイプ"でした。
それが徐々に、プリンといえば「家族みんなが食べるおやつ」という認識に変わってきたのです。
プリンの恨みは恐ろしい
プリンを食卓で囲む場面が多くなった頃、森永が考えた販売戦略は「日常的に家族みんなで食べるプリン」でした。
当時想定していた一般的な家族は、両親とこども2人の4人家族。
しかし、3時のおやつの時間帯にお父さんは仕事で不在。時代的に専業主婦が多かったこともあり、1976年にお母さんとこども2人で食べられる「3個セットのプリン」を売り出しました。
西村「っていうことは、このころの企業戦士だったお父さんたちというのは、プリンを食べられないばかりか、プリンをこどもたちと奥さんが食べていることも知らないまま生きてきたってことですよ!これ。いーや、これはあかんて!」
まだまだ怒りが収まらない西村。プリンの恨みは恐ろしいものです。
ヨーグルトが4個セットの理由
西村「4個セットでさ、1個置いておいて。『パパは帰ってきてから食べたらいいいよね』でいいじゃない」
こう訴える西村をよそに、「4個セットの代名詞でいうと、ヨーグルト」と話題を変える柳沢。
柳沢「あれは食べる時間帯が朝食を想定しているので、お父さんは"いる"んです」
西村「あっ、そこはお父さんのことを考えてくれてるわけね」
すこし機嫌が戻ったか?
柳沢「4人家族を想定して、ヨーグルトは4個パックが多い。ただ、おやつのプリンはお父さん除外ってことで」
西村「いーや、それはあかんって」
元の木阿弥です。
量や質が求められる時代
柳沢「まあまあ。そんなお父さんでもある西村さんに、今日は森永プリンを召し上がっていただきた…」
西村「やったー!!!」
柳沢「…かったんですけど」
西村「ここも排除?」
感情が忙しい西村。
実は、3個セットの森永プリンは現在販売されていないのです。
ここで、2つめの疑問「森永プリン、どうしてなくなったの?」
2016年の3月、森永プリンは惜しまれつつも現役を引退していたのです。
その理由は「プリンに対するニーズが変わってきていたから」
「家族でプリンを楽しむ」時代から、「プリンひとつひとつの量や質が求められる」時代に変化したためです。
コロナ禍で変化するニーズ
柳沢「プリンというスイーツの格が上がったともいえるんじゃないでしょうかね」
西村「あー、確かにプリンの種類も増えたし」
柳沢「こだわりが強くなりました」
現在森永乳業で販売しているプリンは、上に焼き目がついた「焼きプリン」、そして「牛乳プリン」「低糖質プリン」など。
いずれも個食タイプで、セット販売ではありません。
ただ、コロナ禍に入ってからのここ2年は、ヨーグルトやゼリーの4個パックの商品は売り上げが伸びていて、複数個セットの商品が再び注目を浴びているそうです。
「それこそリモートでパパやママが家にいるからでしょ。『もう隠せないぞ、お前たち。お昼の時間に食べるんだ』ってそういうことですよね」と、うれしそうな西村。
デザートのニーズも、コロナ禍で変わりつつあるようです。
(minto)
ドラ魂キング
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2022年01月13日16時30分~抜粋