ドラ魂キング

1日100万円で猛反発!国会議員の「文通費」本当の問題点とは?

国会議員に毎月支給される「文書通信交通滞在費」、いわゆる文通費が最近世間を騒がせています。

10月31日から議員となった人は1日だけしか議員の資格がないにもかかわらず、満額の100万円が支給されるというルールに対して、世間は猛反発。

寄付や返金などを表明する政党が相次ぐ事態となっています。

「1日100万円」という見出しに釣られがちですが、本当の問題点はそれだけではありません。

11月16日放送『ドラ魂キング』では、CBC論説室の特別解説委員、石塚元章が「文通費」について解説しました。

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文書費って何に使うもの?

まずは文通費が何のために支給されているのかについて、おさらいします。

国会議員の給料は「歳費」と呼ばれますが、これとは別に国会議員の仕事で書類を発送したり、電話などで通信を行ったりするのにかかる経費のために支払われるのが文通費で、実費精算ではなく、毎月定額で100万円が支給されます。

都会だとそんなに交通費はかからないのではないか、ましてやJRの無料パスもあるのにと思いがちですが、地方だと選挙区の隅々まで行くのは遠いですし、無料パスは国会議員本人しか使えないため、秘書やスタッフの分は文通費でまかなう必要があります。

ただ、この文通費は使い道が細かく規定されていない上に、領収書や報告、公開が不要というのが大きな問題で、よく「国会議員の第2の給料」とも言われているそうです。
 

1日100万円で炎上

文書費は昔からある制度なのですが、今回あらためて問題となったのが、「1日働いただけで100万円支給される」というルール。

10月31日に選挙が行われ、初めて当選した人や今回復帰した人は、1日しか議員の資格がないにもかかわらず、100万円もらえることになります。

普通で考えると、日割りで3万円ぐらいにすべきではないかと思いますし、もっと言えば、開票と同時に当確が出た人でも4時間だけ、接戦で結果がわかったのが深夜であれば、10月31日は含まれないのではないかと思ってしまいます。

当確が出た時間で金額の有無を決めるわけにはいきませんが、納得がいかないところ。

これを最初に問題視したのは日本維新の会で、メディアが取り上げ話題となり、16日の午前中には自民党の茂木幹事長も記者会見で、返金の考えがあることを表明しています。

ただ、個人がどこかに返金した場合、相手によっては禁止されている寄付行為にあたってしまうため、党でお金をいったん集めた後、どこかに寄付することになりそうです。
 

文書費の本当の問題点

日割り計算ではないのも問題ですが、そもそも文書費自体も問題といえます。

石塚「100万円というのは、使い勝手がいいので。領収書がいらないから。
難しいところなんですけど、真面目にきちんと政治活動するのに使ってるっていう議員さんもいっぱいいらっしゃる。

秘書の給料をちょっと補てんしたり、何か別のことに使ったりということもやってる議員さんもいらっしゃる。
そういうお金としては、都合が良いわけですよね」

さらに問題点について、指摘します。

石塚「前から議員の人は10月14日まで議員をやってるから返さなくても良いんだけど、今回問題になってるのは、1日しか議員じゃなかった人。

ただ、さっきから指摘されているように、それは方向性としては返した方がいいよね、少なくとも日割りにした方がいいよねという方向は出てきそうなんですが。

そもそも文通費というのは良いのかという話も、制度的に領収書とかなくていいの?という議論は、また別にもう1つ出てきますよね」

一方で、「政治にはカネがかかる」という声もあり、国会議員の給料が少ないと金持ちの人しか立候補できなかったり、お金儲けに走って一部の人のために政治活動をする危険性があります。

文通費については、日割りにすべきという問題と、領収書がないことが良いのかという問題、大きく分けて2つあるということが、今回の騒動で世間に広まったといえそうです。
(岡本)
 
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2021年11月16日16時43分~抜粋

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