ドラ魂キング

川上憲伸が解説。ブライト選手に必要なのは意味のあるマン振り

元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、10月20日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演しました。

国内FAを獲得した又吉克樹投手について、そして今年のドラフト1位のブライト健太選手がすべきことについて語りました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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今年一番攻めた投手は?

今年最も攻めた投手は?との問いに答える川上さん。

川上「又吉投手は顔の表情は攻めてないんですけど、投球内容は攻めてるといった感じですね」

顔と仕草を抜きにしたらキメの球種は絞られるそうです。
例えば右バッターだったら外のカットボールという具合です。
又吉投手はセットアッパー、抑えにも関わらず、ある程度真っ向勝負で大胆なピッチングをしていたんだそうです。

川上「自分に自信を持ちまくったシーズンですね」

又吉投手は7月3日に出場登録が7年になり、国内フリーエージェントの権利を獲得しました。独立リーグ出身選手としては3人目です。
 

又吉投手、国内FAはあり?

果たして又吉投手はFA権を行使するのでしょうか?

川上「まあ行くでしょうね。だってお金の問題ですもんね。それはファンの方が、絶対言っちゃいけないことです。お金は気にせずにドラゴンズに残ってなんて、ダメです。プロですから」

又吉投手を欲しくない球団はないはずです。

川上「ドラゴンズはそれを上回るぐらいのお金を出せるといいですけどね。それに期待したいです」
 

投手は500点

リスナーから川上さんへの質問です。

「ドラゴンズのピッチャー陣、採点すると何点ですか?」(Aさん)

「500点ぐらいじゃないですか」と、リスナーの質問に、想像を超える評価をする憲伸さん。

ドラゴンズのピッチャー陣は「セ・リーグ6球団から、放出してくれ」と言われているほどの能力なんだとか。
10月20日現在、ドラゴンズのチーム防御率3.21で12球団トップです。

しかし、一方でチーム打率は2割3分8厘でセ・リーグワースト。
ホームランは69本と、セ・リーグで唯一の二桁数です。

それでも引き分け、例え負けても僅差で試合を作れてきた理由は?

川上「投手陣の性格がすごく良かったんだと思います」
 

リアルな選手の声

ある程度のベテラン選手でそろそろFAだ、というピッチャーの中には、チーム事情には無頓着な選手もいるそうです。
しかしドラゴンズは、バッター陣が不振でも投手陣は同じ方向を向いていました。

川上「貪欲に一試合、一試合、一球、一球、マウンドに行った瞬間は後先考えずに投げ込んでいったからこそ、この成績が出たと思うんですけど」

実は川上さんは、現役時代に逆パターンの立場を耳にしていました。
ある時の巨人戦、ヒットを打って一塁に出た時のこと。

巨人のある打者から「どうせ、こんだけリードしてても、うちのリリーフ陣は最後、点取られるんだよな」と聞こえて来たそうです。

川上「『いいなあ、ドラゴンズは両方揃ってて』、みたいな感じのことが聞こえてくる。今年のドラゴンズの逆じゃないですか。
もしドラゴンズの投手陣が崩壊してたら…っていうことですよね」
 

ブライト健太選手へ

話題は、今年のドラフト1位・ブライト健太選手について移ります。

川上「ドラフト1位らしい思いっきりの良さのスイングですからね。スイングはスカウトが見てるのであるプロのレベルだと思うんですけど、ピッチャーへの対応だったりします」

プロ野球ではなかなか自分の思う通りの球は来ません。
憲伸さんも、打つ気満々でストレート狙いでいったら、だいたい変化球。追い込まれて、ストレートと変化球の両方を待ってダメということが多かったんだとか。

川上「僕は、自分が思う方の配球じゃない方を想像した時に、なんとなく打てるようになった。打席に入って、ピッチャーの自分だったらどう攻めるか?を考えた時に、こんな時、ストレートのアウトコースにいかんでしょ?というような」

ドラフト1位、2位の選手はポテンシャルは高いので、後は配球を読む能力。

川上「ブライト選手は、プロ入り前だけど、現時点の自分の分析を始めていいと思うんですよ。大学リーグは打てる球が来てたと思うんです。
プロは誰一人、そんな球は投げてこないですよ。そこらを想像しながらやっていくといいと思います」
 

プロの投手への対応の仕方

川上「スイングは攻めてるんだけど、そのマン振りに根拠がないといけないと思うんですよ」

来た球にタイミング合うと打たれないように、ピッチャーは何かを変えないといけません。「ピッチャーが○○を変えなきゃいけない」という状況が作れるマン振りには意味があります。

しかし、「なんぼでも振っとけよ、最後はフォークで仕留めたるから」とピッチャーが思うマン振りなら無意味。

プロの球を打つために必要なことは、スピードボールを確実に捉えられるようにすることだそうです。それから変化球への対応をしていくといいそうです。
 

本当にすごいバッターとは?

「自分にとって『来た』って球はファールにしない。一撃で捉えること」

実はピッチャーは、バッターにとって“キタ”という球を投げたり、なんとなくその周辺に投げることがあるそうです。ピッチャーは初球から四隅に投げないんだとか。

なんとなく攻めて、それをファウルにしてくれるから、ピッチャーは次の球がどんどん選択できるんだそうです。
ピッチャーにとって一番楽なバッターは、何となく投げて、ファウルを打ってくれるバッター。

打ち損じて後ろに飛んだ球を、解説ではタイミングは合っていたのに、と言うことがありますが、実は合ってなかったりするそうです。

川上「そうやって追い込んでいって、例えば、早い球で振り遅れていると思えば、最後はカーブで泳がすとか。活躍してるバッターは一撃で仕留めるんです」 
(尾関)
 
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2021年10月20日18時16分~抜粋

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