ドラ魂キング

消える週刊誌の中吊り広告…原因はスマホ?

電車内にある中吊り広告、その中でも週刊誌の広告には目を引く見出しが並んでいて、通勤電車の中で何気なく見ているという男性サラリーマンの方も多いのではないでしょうか。

そんな中吊り広告が、将来はなくなるかもしれません。

8月18日放送『ドラ魂キング』では、主力週刊誌が相次いで中吊り広告への掲載を取りやめというニュースについて、CBC論説室の石塚元章が解説しました。

[この番組の画像一覧を見る]

中吊り広告の効果が薄れた?

17日、週刊誌の『週刊文春』と『週刊新潮』が、電車の中吊り広告を終了することがわかりました。

昔は中吊り広告の見出しで売上部数が決まるといわれ、広告効果は高かったように思われますが、なぜ今やめることを決断したのでしょうか。

その理由の1つは、広告の作成から雑誌の販売までに時間がかかるため。

広告作成の締切が早いことで、直前に載せることになったせっかくのスクープ記事が、広告に反映されなかったりすることがあると、広告の効果があまりないことになります。

そしてもう1つ大きな理由は、スマホの普及。

電車内で中吊り広告を見るよりも、今や手元にあるスマホの方を見てしまう乗客が多い状況で、広告よりも先にサブスクリプションサービスで、雑誌をスマホやタブレットで読むという人も増えてきているのではないでしょうか。

その影響からか、昔よりも中吊り広告自体が減ってきて、CMなどが流れるモニターが設置されるなど、広告の形も変わってきているようです。
 

中吊り広告のメリット

もともと中吊り広告の効果は高いとされていて、例えば同じ電車でも駅に貼っているポスターは通り過ぎると見ることはなくなりますが、電車で移動している最中にじっくり見てもらえることができます。

また、中吊り広告は「リーセンシー効果」が高いとされています。これは直前に見た広告が購買意欲に最も強い影響を与えるという効果のことです。

電車内で広告を見て興味を持った場合、駅に降りてからすぐに売店で雑誌を買うという効果が期待できます。
 

週刊誌の広告を断っている私鉄?

そんな効果の高い中吊り広告ですが、関西大手私鉄の阪急電鉄では、週刊誌の広告は出していないといわれています。

他に百貨店の広告などは掲載されているのですが、なぜ週刊誌の広告がないのか、広報担当の方に電話で聞いてみたところ、「他の電鉄会社さんよりも若干基準を厳しく運用しているかもしれません」と回答。

センセーショナルでスキャンダラスな見出しが踊ることが多く、その点でこどもに配慮しているのかもしれません。

また、宝塚音楽学校の生徒さんも電車を利用されるので、そういう広告を見せないためではないかという、まことしやかな噂もあるそうですが、これは広報さんが否定されています。

ただ、この中吊り広告自体を生み出したのは、阪急電鉄の創業者の小林一三氏という説があります。

電車内の広告は元々、車内の壁に貼られていたのですが、それよりも中吊りにした方が、多くの人によく見えると思われたのでしょう。

駅の近くにデパートを作ったり、歌劇団を作ったりと、アイデアマンだった小林氏なので、中吊り広告もさもありなんといったところです。

しかし、今やデジタル時代が進み、中吊り広告に変革期が訪れているようです。
(岡本)
 
ドラ魂キング
この記事をで聴く

2021年08月18日16時44分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報