すでに一部の競技が開催されている東京2020オリンピックですが、最近話題となるのは開会式をはじめとする相次ぐゴタゴタ。
経済方面から見てもスポンサー企業などの代表が公式行事への参加を辞退したり、テレビCMを見送ったりと、ややネガティブな動きとなっています。
7月21日放送『ドラ魂キング』では、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員が「東京2020オリンピックが未来に伝えるメッセージ」をテーマに、"五輪の意味"について意見を述べました。
前回の東京五輪のイメージ
選手村で新型コロナ感染者が確認され、コロナ禍での開催に疑問を持つ国民が増える中、日本経団連会長は「家族で家で楽しく、一国民としてオリンピックを楽しみたい」として、開会式欠席を表明。
東京五輪から距離を置くトップや企業が増えている動きについて、後藤は「厳しい世論にナーバスに反応していると思う」とし、「五輪にスポンサーとして関わると企業イメージにとってマイナスと捉えている表れ」と語りました。
ただ、本来は五輪はポジティブなイメージが強く、後藤は「戦後の民主主義社会において、心の中に結構前向きなイメージの思い出で残っているんじゃないか」と語りました。
後藤「私なんか1964年(昭和39年)の東京オリンピックの時、小学1年生だったんですが、開会式の入場行進をテレビで観たことを覚えてるんですね。
我が家は白黒テレビだったんですけど、後日親戚の家に行ったらカラーテレビがあって、入場行進の様子をニュースで観ると、選手団の上着は鮮やかな赤いブレザーだったことを知って、感銘を受けたんですね」
東京五輪がきっかけで日本でカラーテレビが急速に普及し、同時期に東海道新幹線が開業。
当時は「夢の超特急」と呼ばれました。
後藤は「日本の社会が明るい時代へ向かっていくことを実感する記憶として、東京五輪は記憶に残ってるんですけど」と、まとめました。
1984年のロス五輪に衝撃
一方、現在40代後半の宮部和裕アナウンサーが印象に残っている五輪は、1984年(昭和59年)のロサンゼルス。
宮部「カール・ルイスが活躍したような大会だったんですけど、(開会式で)アメリカの宇宙飛行士さんが、ロケットマン?ランドセルみたいなのを背負って、真上にビューって飛んで。
『アメリカ、スゲェなぁ』と思いましたからね」
後藤「いろんな技術が開発されてるんだって、目の当たりにしてビックリしましたね。
カール・ルイスも走ってよし、飛んでよしっていう、すごくヒーローでしたね」
そして、20代の三浦優奈が五輪で印象に残っているのは、ある選手に会ったこと。
三浦「上村愛子さんにお会いしたことがありまして。小学生ぐらいの時だったんですけど、上村さんは156cmでわりと小柄なんですよね。
私は小学生の時160cmあったので、私より小柄な選手がトリノやバンクーバーで活躍してるのを観て、すごいなあって思いますし、エネルギーをもらった感じがします」
偶然、3人とも小学生の時に観たオリンピックが最も印象に残っているようです。
イメージ挽回は選手にしかできない
翻って今回の東京五輪が、果たして今の小学生にとって良い思い出になるかというと何とも言えません。
エンブレム問題や新国立競技場の建設予算問題、組織委員会幹部のジェンダー差別と捉えかねない問題など、開催までに起きたさまざまなできごとで、マイナスイメージが強くなっています。
ただ、後藤は「これからイメージを挽回する可能性がある」といいます。
それは出場選手の活躍。最近も福島で女子ソフトボールチームが大勝利を収めています。
後藤は最後に、「選手たちの活躍、感動のドラマが、いまこの時代を生きているこどもたちの心の中に、未来の記憶の中に何とか良いイメージで、メッセージを伝え続けてくれればいいなと、願わずにはいられないですね」とまとめました。
(岡本)
ドラ魂キング
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2021年07月21日16時44分~抜粋