ふすまと聞くと「襖」、和室を思い浮かべますが、実は食べられるふすまも存在します。いったい、その素材はなにでしょう?7月13日放送の『ドラ魂キング』「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」のコーナーでは、フスマでできたパンについて紹介されました。
玄米を精米するとぬか、小麦を精白すると?
高田寛之アナウンサーが解説を始めました。
高田「玄米を精米するときに分離する外側の部分を糠(ぬか)と言いますよね。大麦を精白するときに出る外側の部分は麦糠(麦糠)と言うんです。小麦を精白するときに出る外側の部分は麬(ふすま)って言うんですよ」
高田の説明に、「へぇ、そうなんですね」と驚いたように加藤由香アナウンサーが相槌を打ちます。
玄米を精米した時に出る糠なら、ぬか漬けをはじめ掃除やスキンケア、化粧品の材料として用いるなど多様な使い方が知られています。日本人にとっては、米が身近だったからです。
では、小麦を精白した麬はどうでしょうか。
パンが膨らむ理由
ここで、高田が麬の特徴について一言。
高田「小麦に比べて、麬は低糖質で栄養価が高いんですって」
残念なことに、麬はグルテン組織(伸展性、粘着性、弾力性のある薄い膜)を作ることができません。
パンを作る時に膨らまないと困ってしまいます。小麦粉のタンパク質(小麦タンパク)ならイーストから発生する炭酸ガスを抱き込むと、風船のように膨らませることができますが、麬を使うと膨らまないのです。
「パンを膨らませることができない麬をどうしたらいいか?と試行錯誤して、パンに使うことができた」と紹介する高田に、加藤は興味津々。
開発にかかった時間
「麬を使った低糖質のパンができました」と言った高田に、加藤も「低糖質は嬉しいですよね」と健康や美容に気を配りたい女性ならではのコメントを返します。
確かに、低糖質で栄養価も高いとなればダイエットにはもってこい。より気になってしまいます。
麬のパンを作ったのは、名古屋に本拠を置いているFOOD CONTROL SHOP ZERO(以下、フードコントロールショップゼロ)というお店です。
2007年頃から「麬を使ったパンを作れないか」と着手し、2009年頃に売り出せるパンを作ることができたとのこと。
加藤「2年もかかったんですか?!」
長いのか短いのか開発した方にしかわかりませんが、日々の仕事の傍ら開発をするのは大変だったことには間違いありません。
少量で満足できる食べ応えと美味しさ
実は、このお店のヘビーユーザーだと明かした高田。
加藤「低糖質のパン食べてたんですか?」
最初はあまりパンの種類がなかったとのことですが、現在は種類が増えて選ぶ楽しみができたんだとか。
高田「ピザがあったり、サンドイッチがあったり。あと低糖質のあんパンとか…」
と長い間買っているからこそわかる、種類が増えていった変遷について話します。
低糖質のパンは、ダイエットにも有効ですが糖尿病患者の食事にも利用できるそうです。
糖尿病の患者さんにとっては、糖質コントロールは命に係わること。気兼ねなく食べられる麬のパンはありがたい存在です。
最初は食パンだけだったのに、現在は麬を使ったスイーツまでできたんだとか。
例えば、麬の食パンは一般的な食パンに比べて糖質が90%カットされているそうです。
実際にトーストしたてのチーズが練り込まれたパンがスタジオに届き、嬉しそうな加藤。
食べてみて、思わず「美味しい!」と感想が漏れました。
小さめのパンですが、一口一口がずっしりしており食べ応えは抜群。少量でも満足できるのは嬉しいところです。加藤も「美味しいから色々試してみたい!」と前向きな様子。
ちなみに、高田のおすすめはレーズンパンとのことです。
麬は活用度が低く、場合によっては廃棄されることもあると聞きます。
健康とダイエット、環境にもいい一石三鳥の麬パンについての紹介でした。
(葉月智世)
ドラ魂キング
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2021年07月13日17時10分~抜粋