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落合博満がエースに求めた絶対条件とは?

6月14日から1週間、CBCラジオ『ドラ魂キング』では、若狭敬一アナウンサーが、中日ドラゴンズの元監督落合博満さんへインタビューした様子を毎日お送りしています。

16日は落合さんが考えるエースについて。インタビュアーは若狭敬一アナウンサーです。

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エースに求めるもの

監督時代、落合さんがエースに求めていたものはなんでしょう?

落合「負けないこと。完投してくれること。1イニングだから抑えてくれるだろうという考えで、マウンドに上げても大誤算って結構あるでしょう」

その時の状態がいくら良くても、相手がその上をいっていたら負けてしまうこともある。審判がたった一球ストライクを「ボール」と言っただけで状況が変わることもあるそうです。

落合「良ければ、そのまま投げ切ってくれるっていうのが理想だよね。エースに求められるってのは」
 

投手起用は

投手の起用に関しては、当時のピッチングコーチ、森繁和さんに一任していたそうです。

この日の先発はこのピッチャーを、とか、次の回からこのピッチャーをいかせてくれというリクエストも全くなかったんだとか。
その理由は簡単でした。

落合「ピッチャーのことわかんないもん。そのためのコーチだから」

経験のないことに関して、あまり口を出さない主義なんだそうです。論理的な落合さんの一面が分かります。
 

エースの絶対条件

中日で監督を務めた8年間で、エースと言えるピッチャーは誰だったんでしょう。

落合「川上と吉見だよ。頼りになるピッチャーだったよ」

負け数が少ない。必ず貯金が10はある。続けて何年も投げていた。と頼れる部分を挙げました。

落合「エースに求められるってのは、俺の中では5年2桁。それも10個くらいの貯金を作ってくれる。それが絶対条件だったけどね」

実は元中日の吉見一起さんが未だにそのことを言うそうです。

若狭「落合さんから『5年連続2桁勝ったら認めてやる』っていうので、本当に遮二無二投げたって」
 

エースの存在感

若狭「チームにとってエースの存在は大きいんですか?」

落合「大きいですよ。だからエースを立てて負けちゃいけないんだ」

エース同士の投げ合いは、2勝にも3勝分にも匹敵するそうです。
落合さんは、去年の日本シリーズ第1戦を例に挙げました。

2020年の日本シリーズは巨人対ソフトバンク。
第1戦は巨人がセ・リーグ最多勝投手の菅野智之投手。ソフトバンクがパ・リーグ投手三冠を達成した千賀滉大投手。ちなみに投手の三冠とは勝率、防御率、奪三振数です。
初戦は絶対的エースの対決でした。

結果は1対5で巨人の負け。4点取られた菅野投手が6回で降板しました。

落合「結局、菅野が投げ負けたわけでしょ。で、絶対的なエースが負けたら、俺らは負けちゃうのかなってなる」

チームメイトにはそうした心理が働くんだとか。
 

反省ばっかり

日本シリーズは全7戦は一見短期決戦のようです。
しかし同じチームと7回戦うという意味では、そこそこの長期決戦ともいえます。

監督時代の日本シリーズの戦い方について聞くと…。

落合「こいつらで勝ってきたんだから、こいつらで終わらさなきゃいけないっていう情が出ちゃったのかな」

チーム状態の見極めが甘かったんだとか。

若狭「ひょっとして反省してらっしゃる?」

落合「そりゃあ反省ばっかりですよ」
 

実は良い人?

日本シリーズといえば、ファンであれば聞きたいであろうシーンが。
2007年、パーフェクト寸前の山井投手から9回に岩瀬投手へ継投したことです。

落合「あれは山井が『もうダメです』って言ったから替えざるを得なかったっていうのが真実ですよ。ここは一番わかりやすいと思う」

日本シリーズの様々な局面では非情だと言われていた落合さんですが、実は情を優先した場面が多々あったようです。

若狭「いい人なんですね?」

落合「さあ、それはわかりませんよ」

不敵に笑う落合博満さんでした。 
(尾関)
 
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2021年06月16日17時00分~抜粋

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