ドラ魂キング

新型コロナ終息で期待される「集団免疫」って何?

ここのところ、新型コロナウィルスで新たに陽性者となる人も減っており、ワクチンを接種する人も増えているという状況ですが、いったいどれだけの人がワクチンを接種すれば、ウイルス感染は終息していくのでしょうか。

6月15日放送の『ドラ魂キング』では、コロナ収束が期待される方法、「集団免疫」について、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員が解説しました。

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集団免疫のしくみ

集団免疫とは、一定割合以上の人がウイルスに対して免疫を持つと、感染患者が出たとしても他の人にはうつりにくくなり、流行しなくなる状態に至ることを指します。

「感染症に対する社会全体の抵抗力」という意味合いを持っているものです。

では、一定割合とは新型コロナウイルスの場合、どれぐらい必要なのでしょうか。

後藤「今までのデータからすると、だいたい1人の感染者から2、3人に広がるといわれてるんですが、この計算で行きますと、仮に10人の集団があったとして、そこの中の1人が感染して、3人に広げると、10人の中の感染者は4人になりますよね。

その時、残りの6人が免疫を持っていたとしたら、感染は4人以外に広がらないということになるわけですね。

ということは、集団免疫は人口の6割ぐらいまで達する必要があると」
 

免疫を持つ人が増えると…

ただ、海外の情報によりますと、だいたい人口の4割ぐらいでワクチン接種が進んでくると、感染者が減少傾向になるといわれていて、イギリスやアメリカでもその現象は見られます。

1回以上摂取した人の割合は、イギリスでは61%、アメリカは52%、ドイツは48%、中国で43%ほどと発表されていますが、日本は14%という状況。

他の国と比べて感染者数が少ないという事情はあるものの、日本は他国と比べて少ない状況です。

では、今後の課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

後藤「免疫を持ってる人が少数派という集団の中では、感染拡大が続くということは避けられないですが、免疫を持ってる人が多数派になってきた時には感染が広がらなくなるということですから、感染者が社会から減っていくことになります。

結果的に免疫を持たない少数派の人も、そうなってくると守られるということになるんですね」
 

他の人の役にも立つ

自分がワクチンを打たなくても、周りの人がガードしてくれる、感染を広げないようにしてくれるということになります。

後藤「世の中にはまだまだいろんな理由でワクチンを打てない人もいますよね。

その人たちを守るために、周りの家族や職場などのコミュニティの人たちが、ワクチンを打つことで少数派の人も守ってあげられるというのが、集団免疫の良いところなんですね。

例えば、風しんは妊婦さんへの感染が、胎児に非常にリスクがある言われてる。

周りの家族や職場の男性も含めて、風しんのワクチンを打つことで、妊婦さんを守るということになるので、社会でキャンペーンも行われてる」

ワクチン接種を強制するのは良くありませんが、自分だけではなく、他の人を守るという点でも、今後さらに接種の機会が早く広がることが待たれます。
(岡本)
 
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2021年06月15日16時42分~抜粋

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