ドラ魂キング

今中慎二、コーチ時代にピッチャーの後ろには絶対立たなかった理由

元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の今中慎二さんが、2月3日放送の『ドラ魂キング』に出演しました。

現役時代のピッチャーの経験、コーチ経験を交えて、キャンプ中のピッチャー陣の見方を解説する今中さん、現在のキャンプに不満があるようです。
聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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良くて当たり前

キャンプが始まってまだ3日。特にブルペンでは、どんなところに注目するのでしょうか?

今中「これは毎年言いますけども、キャンプの1クール目はコーチもファンの方も、目が慣れてないので、良くて当たり前です」

ペナントレースが終わってから久しぶりに見るという時間的なことに加え、ブルペンは狭く、しかも音が響くためにピッチャーが投げる球が速く見えるんだそうです。

今中「だから、良くて当たり前が普通。悪くても、どうしたんだろうな?っていうだけです。1クール目は放ったらかしですよ。2クール目、3クール目にガタッと落ちてくる選手がいっぱいいますから」

ピッチャーにとって、そこからがキャンプ本番のようです。
 

緊張感のあるブルペン

ブルペンは例えるなら弓道場のような場所。ピッチャーがズラッと並んで投げます。北谷だと最大8人まで同時に投げられるそうです。

宮部「ブルペンのあの緊迫感というか、神聖な感じにも思えます」

今中「今も昔も、キャンプのブルペンって、やっぱり緊張しますよ。ギャラリーが多いんで。特に解説者に後ろに来られたら、まあ投げづらいですよ。真後ろで見んなよ邪魔だよっていつも思ってましたもん」

今中さんがピッチングコーチ時代には、キャッチャーの方からはボールを見ないことが基本。見るのはピッチャーの斜めからか横から。特に横からはピッチャーの投げるボールの角度がよく分かるんだそうです。

今中「真後ろには行かないですよ。邪魔なんで」
 

4勤1休が必須の理由

今中「ブルペンに入る入らないは、まず先発とリリーフでちょっと違います。4勤1休というスケジュールを組むと、リリーフピッチャーは4日間、ブルペンに入るのは普通だと思いますよ」

プロ野球選手の練習と休みのペースは4日練習して1日休む、4勤1休が多いようです。

今中「ただ、4日間全部、目一杯投げる必要はないんです。しっかり強弱をつける。球数を抑える日と、抑えない日、めいっぱい投げる日とか色々やってスケジュール組むんです」

4勤務1休はマスト。2日練習して1日休みとかはダメだそうです。理由はシーズンに入ったら、そういう休み方はできないから。基本的には1週間で6日間やって休みです。

今中「シーズン中、この日はブルペン行ってもボール投げませんって出来へんでしょ。だから基本的には4日間入らないと」

先発の場合は、シーズン中は中6日。しかし試合を想定すると、キャンプ中でも球数を投げる日は必要だと言います。
 

実践が速すぎる

今中「1クール、2クールやったら、今はもう実践でしょ。だから、投げ込むとかのスケジュールが組めないんですよね。実践が早すぎるんですよ」

準備をして実践が理想なのですが、今の状態は準備の最中に実践が入ってくるため、すごくやりづらいそうです。ただ首脳陣としては実践テストで見てみたいのかもしれません。

今中「やってもいいんやけど、その結果で、どうこう言う必要は全くない。それに合わせて練習させる必要もないし」

ちょっと疲れている中で実践を投げてみて、どんな感覚なのかをピッチャーに確認させる。また、疲れている時は全力では投げられません。
疲労時はどんなピッチングをするのか、そのことを覚えるのも必要なんだそうです。
 

タフさが足りない

今中「生き残りをかけるキャンプって、実践に合わせた練習、調整にしちゃうので、ちょっと物足りないんですよね。みんな、そこに向けて逆算しちゃうんですよ。それに合わせた練習してたら、キャンプじゃないんです。普通の練習です」

走り込む日、投げ込む日、様々な練習方法が必要だと言います。

今中「今の子たちは、正直もの足りない部分は多いです。それがシーズンに、多少出てるんでしょうね。やっぱり疲労するのが早い」

近年、規定投球回に到達するピッチャーが少くなっていることの背景には、継投策は早くなっていることもありますが、身体作りがもの足りないのかもしれません。

今中「今、タフさが欲しいんですよね」

まだキャンプ3日目。ピッチャー陣はこれからどう熟成していくんでしょうか。 
(尾関)
 
ドラ魂キング
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2021年02月03日18時16分~抜粋

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