ドラ魂キング

プロ野球は不公平だからこそ面白い

近年日本シリーズでセ・リーグとパ・リーグの力の差について語られることが増えています。

1月18日放送の『ドラ魂キング』(CBCラジオ)では、ダイノジの大谷ノブ彦と、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が、リスナーからの投稿を交えてこの問題を語ります。

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力の差はあっていい

ベストセラーになっている長谷川晶一さんの野球ノンフィクション『詰むや、詰まざるや 森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』(インプレス刊)を、大谷が北辻さんに貸したという話から始まりました。

この本は1992~1993年の西武とヤクルトの日本シリーズの裏側に迫った内容。セ・パに力の差がある中、野村監督が情報戦や心理戦、選手起用の仕方など様々な手で森監督を揺さぶり、西武に勝とうとする部分が読みどころだそうです。

大谷「戦い方の妙、監督の将棋みたいな選手の駒の進め方など、これまた野球の面白さだと思うんですよ。そういうものが全部なくなって、力対力、力こそ正義だ、みたいな論理になってきてると思うんですよね」
 

ハプニングの楽しさ

大谷「個人的には、セ・リーグはいくら姑息と言われても、セ・リーグっぽい野球をやって欲しいというのが本音です。僕は予告先発は興行と関係ないと思ってるので、未だに反対です」

大谷はセ・リーグのDH制にも反対だそうです。

北辻「私も予告先発は反対なんですよ」

2004年の落合新監督最初の年、開幕戦で川崎憲次郎選手がコールされた時や、1987年、ルーキーの近藤真一選手が先発に起用された時のどよめきなど、ハプニング的な興奮があるからだと言います。
 

公平ならいいのか?

大谷僕は野球って公平ではないと思ってるんですよ。プロ野球が何で好きかって言うと、球場の大きさが全部違うから。どう考えても公平じゃないですよ。だからこそ戦い方が違って、そのチームの個性を出さなきゃいけない」

ホームラン数が12球団一少ないドラゴンズですが、ホームラン数を増やすより、ホームがバンテリンドームである限り、バンテリンドームで勝てる野球を極めるのがファンに楽しんでもらうやり方だと主張しました。

大谷「でもホームランテラスもあっていい。ルールが変われば、僕はそれに乗っかるタイプですから応援します。でも、なんでもかんでも同じにしていくってことがいいのかな?と思っちゃうかな」
 

成り立ちからして、そういうもの

ダルビッシュ選手曰く、パ・リーグが強い理由はお互いのチームがブラッシュアップしていくからなんだそうです。
例えばホームチームが、ビジターチームにも、トレーニング施設などを使わせてくれるんだとか。

リーグ内が、お互いを受け入れる関係なので足並みも揃いやすく、パ・リーグチャンネルという動画コンテンツもできたそうです。
対して、セ・リーグはビジターチームには、ホームチームの施設は使わせないそうです。

大谷「セ・リーグも足並みを揃えて、お互いがレベルアップしなきゃいけないなと思ったけど、そもそもセの歴史が違うかなって、ずっとそんなこと考えたんですよね」

初期の日本のプロ野球は、日本野球連盟という一つのリーグしかありませんでした。
1949年に数球団が新規参入を表明。これでもめて2リーグに分裂。新規参入に反対したのが現在のセ・リーグ。賛成したのがパ・リーグです。
 

違いの分かる男

大谷「全部ボーダーレスにするんだったら球場の大きさもセ・パ全部同じ条件にしないと、そうしないと駄目なんじゃないの?って僕は思うんですけど、それってプロ野球として一番魅力あることなの?球場の広さが違うから面白いんじゃないの?」

各球場に色があることが当たり前。ファンとしてもそこが楽しいのではないでしょうか。

大谷「ノムさんは、そのことがわかった上で、勝てる方法を最大限にやってたんやな、と思いました」

北辻「ルールを尊重した上で、何をしたら勝てるか?知恵、駆け引き、戦略ですよね。これを持ってたのが野村さん、森さんの二人の名監督ですよね」
 

複雑なファン心理

野球はサッカー、バレー、テニスなどよりも考える時間、行間があるスポーツです。
ピッチャーはバッターに考えながら投げ、その間にベンチからランナーに指示が出ます。

大谷「その行間の間に、あの手この手を考えることが面白いんじゃないかな。もちろんホームランが出た方がいいですよ。それは醍醐味です。ドラゴンズからホームランバッターが出たら、こんなに上がることはないですが、現実問題はすごく難しいんじゃないですか?」

そこで、大谷が考えるドラゴンズの優勝への最短距離は、敵チームがバンテリンドームでは勝てないと思うような細かい野球をやることだそうです。

北辻「それをやったのが落合博満監督です」

大谷「でも、その時にお客さんが減った。その野球がダメだから減ったということだったじゃないですか。なんでお客さんが来なかったんやろ、とか、いろいろと考えますね」
 

優勝するには、こうしろ

「今年のドラゴンズは何もしなくても、戦力だけで優勝と思っている大甘な大谷さん、こんばんは。本当は私も優勝すると思ってますが、そのためには大きなプラスアルファが必要な気もしております」(Aさん)

そこでAさんが提案したのが球場別スターティングオーダー。ホームランが出にくいバンテリンドーム、マツダスタジアム、甲子園球場では守り重視の点を与えない野球をする。

ホームランの出やすい東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアムでは得点重視の超攻撃型野球をすることだそうです。
 

勝てるスタメン発表

さらに具体的なアイディアを出すAさん。

「予定通り開幕できればスタートの3カードはマツダ、バンテリンドーム、甲子園とホームランが出にくい球場なので、キャッチャー木下、セカンド堂上、ショート京田で臨み、3-1で勝つゲーム展開を目指します」(Aさん)

点数設定は1点は取られてもいいという設定なのでしょうか。2-0でもいいような気もします。
次の2カードは神宮、東京ドームとホームランが出やすい狭い球場。

「なので、キャッチャーにアリエル・マルティネス、セカンド阿部、ショート石川昂弥で臨み、打順も平田、石川、高橋周平、ビシエド、ガーバー、大島、アリエル、阿部の超強力打線で組んで8-5で勝つゲーム展開を目指せばいいと思います」(Aさん)

どこから出たのか8-5。ホームラン合戦で大味な試合を想像させる点差です。

「6つのポジションが競争になりますが、競争のないチームに大きな成長は期待できません。3位のチームが優勝するにはプラスアルファが必要です。ぜひ大谷さんのお力で実現させてください」(Aさん)

大谷「そんな力ねえわ。そんな力はないけど、これは前から僕も思ってましたよ。この案はすごく良いんじゃないかと思いますね」
(尾関)
 
ドラ魂キング
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2021年01月18日17時13分~抜粋

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