ドラ魂キング

コロナに効くワクチン・治療薬はいつできる?研究開発の現状

一部地域で緊急事態宣言が発令されてから2週間以上が経ちました。
感染者数の増加が抑えられるかどうかが連日注目されていますが、ウイルスに克つための薬が開発できるのかどうかも気がかりなところです。

『ドラ魂キング』では毎日、新型ウイルスに関する最新情報を伝えています。
4月22日の放送では、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員が「薬の現状と今後の期待」と題し、製薬開発の現状について解説しました。

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ワクチンと治療薬の違い

後藤委員はまず、新型コロナウイルスに打ち克つための方法として「ワクチン」と「治療薬」の2つを挙げました。

ワクチンは身体の中に備わっている免疫力をつけるもので、予防接種がこれにあたります。

治療薬はウイルスが体内に入って増殖し始める時に、薬の作用によって増殖しないようにブロックすることで発症を抑えたり、症状を軽減したりするといった効き目があります。

インフルエンザの治療薬として、「タミフル」や「リレンザ」という名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ワクチンは世界中の研究者が開発しているのですが、1から研究開発するのは時間がかかり、実際の臨床現場に出てくるまでに1年以上を要するのではないかと言われています。
 

インフルエンザ薬は効果あり?

治療薬は新たに開発している一方で、すでにインフルエンザなどに効く治療薬が新型コロナウイルスにも転用できるのではないかと言われていて、もし有効であれば開発研究の期間が短縮できます。

新型コロナウイルスの治療に応用できることが確認できて安全性がわかれば、比較的早く医療現場で治療薬として普及していく期待が高まっています。

先日、医療現場で研究に参加している専門家が集まる日本感染症学会の緊急シンポジウムが開催され、中間報告が行われました。

その報告によりますと、同意を得た300人の患者に抗インフルエンザ薬のアビガンを投与したところ、軽症あるいは中程度の症状の患者のうち、9割の方に症状の改善が見られたそうです。
 

治療薬が出回るのはいつ頃?

ただし注意しなければならないのは、もともとこの新型コロナウイルスは、約8割の方が軽症で済むと言われていること。

そうすると、症状が改善したのはこの薬のおかげなのか、自力で回復したのかがまだわかりません。

その効果を確かめるためには、治療にこの薬を使うグループと使わないグループに分け、前提条件を一緒にした上で比較研究し、科学的な検証を行う必要があります。

さらに大事なのは、他の病気に対しては安全性が検証されていますが、新型コロナウイルスに対しては別の副作用が起きないのかということ。

治療薬が確立するまでには、まだ少し時間がかかりそうですが、後藤委員は「新型コロナウイルスの治療薬として使える日は、意外に近いと思います。今後の医療科学や現場の先生方の研究のスピーディーな進歩に期待したいですね」と語りました。

そして最後に「それまでに私たちができることは、ウイルスがいる所を触ったりしたら、必ずこまめにちゃんと手を洗って、手のひら、手の甲、指の先などを洗って洗って洗いまくると、これが重要だと思います」とまとめました。
(岡本)
 
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2020年04月21日16時42分~抜粋

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