ドラ魂キング

岩瀬仁紀が語る、パウエルとの出会いと契約“後悔”

宮部和裕アナウンサーがパーソナリティを務める11月20日の『ドラ魂キング』に、中日ドラゴンズの守護神として活躍したレジェンド、岩瀬仁紀さんが出演しました。

その岩瀬さんが話した思い出のうち、1軍、2軍の巡回打撃コーチに就任したばかりのアロンゾ・パウエル氏についてと、契約更改交渉について今回は取り上げます。

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23年前のことでした

その頃岩瀬さんはまだ高校・大学生だったため、パウエル選手と対戦がありません。
ただ、実は少し絡みがあったんだそうです。

それは岩瀬さんが大学4年生の秋でした。ナゴヤ球場が1軍の本拠地としてラストイヤーとなった96年。
試合前に行われる一般参加のイベント「スピードボールコンテスト」に出場した岩瀬投手は何と、時速136キロを計測。
素人なら100キロ超えれば感心されるレベルなので、当然この時球場内はどよめいたのでした。

ここまではファンの間では有名な話なのですが、そこで岩瀬さんに声をかけてきたのが、パウエル選手だったのです。

宮部「ええーっ!ベンチか何かで見てたんですか?試合直前の緊張感の中」
岩瀬さん「ええ。『お前は誰だ?』みたいな感じで話しかけられて(笑)」
宮部「そのピッチングに、これはただ者じゃない、と」
岩瀬さん「その時に話しかけられたのは覚えてますね。ただ、本人が覚えてるかどうかわかんないですけど。それ以来会ってないですから」

来季の春季沖縄キャンプでの“再会”が楽しみですね。

マウンドでは強気でも

そんな学生時代から数年が経ち、プロで毎年活躍するようになった岩瀬投手。契約更改交渉ではさぞかし自信を持って臨んだことでしょう。
…と思いきや、意外にそんな感じではなかったようです。

岩瀬さん「今思えば、もうちょっと上手くできたんじゃないかなと」

宮部「ここで反省!?」

岩瀬さん「交渉する時にどうしても、『来年自分がダメだったらどうしよう』『ダメでも、何とかこのくらいに(下げ幅を)抑えてください』みたいな感じで話を持っていったんで」

「今年は活躍できたけど、来年できるのかな」という、常にネガティブな思いを持っていたんだそう。
「活躍したんだからドーンと年俸上げてくださいよ」という考えではなかったのです。

宮部「目一杯年俸を上げておけば、翌年成績が落ちたとしても、(年俸のベースが上がった分)ちょこっと下がるだけじゃないですか」

岩瀬さん「うーん。だから今、もったいなかったかなと思いますけど(笑)」

契約更改ならぬ契約“後悔”なのでした。

一流はざっくり

年俸の話ついでに、一流選手についての岩瀬さんなりの考え方を教えてくれました。

岩瀬さん「査定についていろいろ『ノルマが達成できなかった』とか、(交渉の席でフロントが)言ってますけど、査定でどうのこうの言われてるうちは、やっぱり一流にはなれないんですよね」

これは一体どういう意味でしょうか。

岩瀬さん「ざっくり言われることで、初めて一流になれるという感じになるので」

つまり、「あの時の盗塁失敗は、実はベンチからのサインだったので、マイナス査定にするのは勘弁して」などという細かい話は、一流になればしないということです。

スター選手は、1年を通して活躍した・頼りになるというざっくりとしたイメージだけで、年俸がアップしていくというわけです。
それに、年俸1億や2億ともなれば、何十万や何百万という細かい数字じゃなく、キリのいい額になっていきますから。まさに“一流はざっくり”ですね。

ちなみに岩瀬さん、大台に初めて到達した時は、「夢だった1億円プレイヤーを実感して、手が震えちゃって契約書に名前が書きづらかった」そうです。

聞くだけでこちらも震えてしまうくらい、夢のある話ですね。
(岡戸孝宏)
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2019年11月20日18時05分~抜粋

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