ドラ魂キング

今中慎二、初の開幕投手を務めた年に沢村賞獲得。その秘密を大公開

3月19日、中日ドラゴンズの与田剛監督が、今シーズンの開幕投手を笠原祥太郎投手が務めることを明かしました。
3年目の笠原投手にとって初の大役です。

3月20日放送のCBCラジオ『ドラ魂KING』では、元中日投手で野球解説者の今中慎二さんが、開幕投手の大役にどう備えたか、自身の経験を交えて語りました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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同じ頃に告げられた

「開幕の、1週間か10日前ぐらいに言われたのかな?最後のオープン戦投げる前か、投げた時ぐらいに言われたんで」

初めて開幕投手と告げられた時のことを振り返る今中さん。
笠原投手が開幕を告げられたのと同じようなタイミングだったそうです。

今中さんは入団4年目の1993年(平成5年)、22歳で初の開幕の大役を務めました。1996年まで4年連続開幕投手を務めることになります。
実は、今中さん、開幕投手を務める前の3年間だけで、すでに30勝を挙げていました。

しかも「その前に肘骨折で半年休んでたんですけどね」と言う今中さん。
初の開幕投手になる前年、1992年4月19日、巨人戦でゴロが当たって骨折というアクシデントがありました。それがありながらの30勝は驚きです。
 

初めては何も分からない

「1週間ぐらい前に言われてもピンとこないんですよね。それがどんなものかって経験してないからわからない」

初の開幕投手は登板まで実感がなかったと言う今中さん。開幕で投げるということは疲れ方が違うそうです。

「オープン戦でいくら7回だ、100球だって投げてても、いざ開幕戦となって5回投げるのにどんだけ大変か。やっぱりきつかったですから。初めての時はもう5回でへばりましたからね。

大量リードで勝ってたんですけど、もうヘトヘトですよ。気持ち的には、そんなに緊張はなかったんですけど、身体がやっぱり緊張してたから。
それをほぐすのにちょっと時間がかかって、ほぐれた瞬間、試合中に疲れがどっと出るんですよね」

この時は敵地・甲子園球場での試合でした。
 

開幕までにすべきこと

独特の緊張感があるという開幕投手。
その大役を今年、与田監督から告げられた笠原投手はあと10日間で何をすべきかを尋ねる宮部アナ。

「微調整程度で、今から開幕戦のためにやることは、ほぼほぼもうないはずですね。あとは気持ちを整理してマウンドに上がるって言うことぐらいですよね。

オープン戦もそれなりのボールを投げてますし、技術的にはいまさら変えることはないので、体調をしっかり整えて挑む、というところが一番大事なとこでしょうね」

対戦相手となるベイスターズの今永投手も初めての開幕投手です。
その他にオリックスの山岡投手、西武の多和田投手、ロッテの石川投手、日本ハムの上沢投手が初の開幕投手経験者となります。

世代交代の時期なのか、どっしり構えてくるのは巨人の菅野投手、阪神のメッセンジャー投手ぐらいでしょうか。
 

開幕連勝、そして連敗

今中さんは93年、22歳で初の開幕投手を務め、甲子園球場で勝ち星を挙げた後、その年、最多勝、最多奪三振はもちろん沢村賞も獲得しています。
開幕投手を務めたことが、この年、どう影響したのでしょうか?

「内容云々よりも開幕戦を勝ったんで、気持ちよくスタートをきれて4月は負けずに行きましたね。5月の頭まで4連勝ぐらいしたんですよ。その後5連敗したんですけど(笑)」

5連敗の要因は、9回に同点弾を浴びるなど終盤の失点が多くなってきたことだそうです。

「そういうのが重なって、負けが込んだ時はどうしようかなって思いましたけどね。やることはどうするか?その日の体調で練習方法を変えているのでルーティーンもないですし」
 

沢村賞の秘密

「ただ、いろいろやってるうちに、登板する前の日は投げんとこ、ということは決めましたね。何かあった時は投げますけど、基本的には投げない。理由はしょうもない理由なんですけど…」

何やら意味深な今中さん。気になるその理由は?

「火曜日当番だと月曜日、試合ないじゃないですか。みんな休みでしょ?自分も休みたいわけですよ。そうなると前日投げなけりゃ、ちょうどいいかなと思って」

プロ野球の試合は月曜日はありません。
6連戦頭の火曜日に登板することが多かった今中さん、適当な理由ですが、これがうまくハマって、この年は見事沢村賞を獲得しました。
笠原投手、参考になりましたでしょうか? 
(尾関)
 
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2019年03月20日18時32分~抜粋

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