置きに行きたくなる投手と、置きに来たのを狙う打者

ドラ魂キング / スポーツ

元中日ドラゴンズ選手で野球解説者の彦野利勝さんが、3月19日放送のCBCラジオ『ドラ魂KING』に出演し、野球中継で使う「置きに行く」という表現について解説しました。

聞き手はCBCのスポーツアナウンサー、高田寛之です。

置きに行く

彦野「ピッチャーの投球のことです。全力で投げていてストライクゾーンに行かない。でもフォアボールを出したくない。
そんな時に、少し力を抜いて、ストライクゾーンにそーっと投げるみたいな。大げさに言うと、そんなようなイメージです」

ピッチャーが「置きに来たボール」、私たち観客からするとわかりづらいですが、打席に入っているバッターからすると全く球質が違うんだそうです。

今はスリーボールから打つ人もいますが、彦野さんの現役の時代はスリーボールになると、一球見送る人が非常に多かったといいます。

彦野「そういう時ってピッチャーは置きに来ても良いわけですよ。打たないから。だから余計にボールがホワ~ッと来ます。バッターも打つ気がないんで、余計にそうやって見えるかもしれませんけど、明らかに遅い。腕の振りは緩いし、ああ置きに来たな、みたいな」
 

投げ方で分かる

ピッチャーを見ていても置きに来たのがわかるものでしょうか?

彦野「全力で投げる時の人間の仕草と、少し加減して投げる時って、完全に腕の振りから体の使い方が緩みますから分かりますよ。全力が10だとしたら、8もないですね。6ぐらいになっちゃいます」

高田「しっかり腕を振らないと、良いコースのボールが行かないという話をピッチャーの方からよく聞くわけですが…」

彦野「だから、その時はコースを狙ってませんもんね。ストライクが欲しいだけだから」
 

置きに行ったらダメな時

少し甘くても、打ってこないだろうというタイミングで投げるのはいいのですが、ピッチャーが一番やってはいけないのが、勝負どころで置きに行くこと。

どうしても、ストライクが欲しいからといって置きに行ってしまうと大変なことに。

彦野「威力がないボールが来てしまって、バッターからすると打ちやすくなっちゃう。
そういうボールは、だいたい大怪我することが多いですよね。だったらフォアボールの方が良かったのにっていうことがあります」
 

プロは置きに来ない

高田「じゃあスリーボール、ワンストライクぐらいのカウント。バッターは甘いところに目を付けて狙うわけですよね。そこで、コントロールで苦しんでるのに、完全に割り切って、置きに来ずに真っすぐが来ることもあるんですか?」

彦野「もちろんあります。プロはむしろそうしないといけないと思いますよ。一球に命かけて投げるピッチャーがほとんど。置きに行ってる場合じゃないです。置きに行って打たれてしまったら何の意味もないので、気持ちを込めてしっかり投げてくると思うんですよね」
 

アマチュアの方が多い?

彦野「アマチュアの方が、フォアボールを出したくないとかいろいろな理由で、置きに行きたくなりがちかもしれない。プロで置きに来てるな、とはそうそう感じないですよ」

しかしプロでも、フォアボール、フォアボールと続いて、またスリーボールとなった時には、ストライクが一球欲しいなという気持ちになるそうです。

彦野「そういう時は、打ち頃の球が来る可能性が高いので、簡単に見逃さずに打っていった方がいいと思います」
 

良いピッチャーとは?

バッターからすると、置きに来そうだなという時はなんとなくわかるそうです。

彦野「ここは歩かせたくないなあって思ったら、絶対ストライク投げてくるみたいな。それもできるだけ真っすぐで、みたいな。やっぱり打ちやすいです。そうなったら、もうピッチャー最悪です」

ドラゴンズのピッチャー陣には、こんな言葉が向けられました。

彦野「8割から9割ぐらいの力でどんどん攻めていけるといいと思います。それで、どっかでギア上げて、10割でドンと勝負にいけるようになると素晴らしいピッチャーになるんじゃないですかね」
(尾関)
 
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2019年03月19日18時31分~抜粋

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