元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の今中慎二さんが、2月5日放送のCBCラジオ『ドラ魂KING』で、キャンプの時間の使い方について語りました。
トレーニングにかかる時間について、意外な事情を語る今中さんです。
選手によって違う
秋季キャンプの1ヶ月は、各選手それぞれの目標を立てて臨んでいました。
今中「若い選手は立てられないですね。中堅、レギュラー、ベテランと立場がみんな違うので、その人たちによって目標がまず違いますよね」
レギュラーで中軸のベテラン選手は身体を慣らす程度のキャンプ。キャンプの終わりがけに、ようやく実践に入るぐらいだそうです。
1、2軍のボーダーラインにいる選手はキャンプのワンクールから猛アピールするということです。
「極端な話、70人選手がいたら70通りの1ヶ月の過ごし方もありですか?」と尋ねる高田寛之アナに、「あっていいと思いますよ」と答える今中さん。
今中「物の考え方は皆それぞれ違うので、一人一人が自己責任でやっていくのがいいんですけど」
個々にやっていくと収拾がつかないので、キャンプはコーチ、監督が決めたメニューでの合同練習。
その中で、各選手はキャンプ前の自主トレから想定してきたことを強化していくんだそうです。
長い練習に誰がした?
90年代、今中さんが現役の頃と比べると今のキャンプは練習時間が長くなり、休みが少なくなっているそうです。
今中「6勤でやるのか4勤でやるのかというね。6勤が最近、主流になってきてますよね。誰が流行らしたのっていう話ですけどね」
高田「落合博満さんでしょ?」
今中「よう言わないですけど」
こうはぐらかす今中さん、「確かに優勝したってのはありますけど…」と前置きしてこう続けます。
今中「やっぱり選手としては適度の休みは欲しいですよね。『ああ、今日も長いなー』って練習するのと、『今日はこの時間でスパッと終わろう』っていうのでは集中力が変わってくる。だから、やり方一つですよ」
練習時間が長い理由
今中「要は待ち時間が長いんですよ。これは僕らの時もそうですけど、練習時間が長いんじゃなくて、待ちが長いんです」
最後に揃ってランニングとなった時に、誰かが200球投げてる間は選手みんなで待っていることになります。
今中「昼のランチタイムも、時差で行くんですが、終わったら皆でゴロの練習をやりましょうってなると、遅くランチに来た人を待たないといけない。ランニングも皆で一緒に走りましょう。また待ちが出る。それは長くなるのは当たり前です」
それぞれの選手が自分に合った練習メニューだけをすればいいものを、合同でする練習を入れるので、どうしても待ち時間が出来てしまい、結果として長時間練習になってしまう、というのが今中さんの主張です。
最後に座談会?
今中「今日は長いの走るよ。何本何本と言われて、それを皆でやってるから、時間が長くなってくる。最後にウエイトでしょ。座談会になる部分が多いわけですよ」
「座談会」とはどういうことでしょうか?
今中「皆でやると座談会になるケースが多い。一人でやると喋り相手がいないんで、黙々とやって終わるけど。皆で喋りながらやると、一つのメニューが5分で終わるものを10分かかったり、15分かかるわけですよ」
高田「舞台裏を躊躇なく言いますねえ」
「ウエイトが嫌いやったんで、早く終わりたいなっていつも思ってたんですよ。力がないから筋トレ大嫌いだった」と、その理由を語る今中さん。
入団した時から筋トレの成績は下から1~2番だったそうです。
練習にはメリハリを
今中「集中力は限られてるので練習は長けりゃ良いっていう問題でもない。一試合3時間の中で集中できるイニングも限られます。だから、どう効率よくキャンプをするか」
怪我をするのも集中力が途切れた時だそうです。
今中「メリハリ付けないとずーっと1日は集中できないでしょ。学校行って6時間目までずっとできないでしょ?」
個人的体験も踏まえ、時間の無駄遣いを戒める今中さんでした。
(尾関)
CBC
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2019年02月05日18時32分~抜粋