元中日ドラゴンズのピッチャーで野球解説者の今中慎二さんが、1月23日放送のCBCラジオ『ドラ魂KING』に出演しました。
現役時代の今中さんと言えば、驚異的なコントロールの良さと、デッドボールの少なさが際立っていた投手。
今回は現役投手生活で得たコントロールの付け方、スランプ脱出法などについて語りました。
驚異的にデッドボールが少ない
「デッドボール当てた記憶はちょこちょこありますよ」と今中さん。
今中さんの現役生活は1989年から2001年の12年間。その中で1,315イニング投げてデッドボールは15個だけ。
93年から96年、56勝を挙げたこの4年間では3つだけです。1年1個以下という少なさです。
今中さんとイニング数の近い現役選手は、巨人の菅野投手。現時点でイニング数が1,086です。現役最強と言われる菅野投手でもデッドボールは22個。
今中さんは驚異的にデッドボールが少ないんです。
今中「でもデッドボールが少ないからといって良いわけでもない、と言われましたよ」
当時の星野監督からは「インコースが少なすぎる」とよく言われたそうです。
なかなか当たらない
今中「当たっても仕方ないと思って投げたボールで当たってるのはあります。でも、当てようと思っても、なかなか当たんないですわ。本当に当てようと思ったらとんでもないとこに投げないと当たんないです」
バッターはピッチャーの手を見ていますが、目も見ているので、どこに投げようとしているかがわかるそうです。
狙われてるな、というのは目線でピンとくるんだとか。相手ベンチにインコース狙いが察知されることもあるそうです。
最初はみんなダメ
今中「すっぽ抜けるってのは、あんまりなかったね。完全に抜けて、当たったというのはほとんど記憶にないですね。
厳しいとこを狙って行ったら、たまたまバッターが踏み込んで当たったとかいうのはありますけどね」
つまりデッドボールはすっぽ抜けで当たるようです。
すっぽ抜けがなかったと同時に、やはりコントロールの良さがあるのではないでしょうか?
今中「やっぱり最初に入団したら、高卒、社会人関係なくコントロールはみんな悪いんですよ。プロの世界になるとストライクゾーンが一気に狭くなるんで」
若手はつらいよ
今中「しかも若手なんて、審判もなかなか味方についてくれないんです。4番バッターだとボールって言われたのが8番バッターだとストライクって言ってくれることもあるし。
そういう中で、フォアボールがずっと付きまとって、よく怒られました」
カーブなどの変化球でストライクが取れるようになってからフォアボールが減ったそうです。
今中「自信を持って投げだすと、コントロールって意外とつくんですよ。要は自信を持って投げられるかどうかです」
では、その自信はどうやってつけるのでしょう?
自信はどうつける?
今中「ゲームの中でつけないと。キャンプで投げ込んでつけるのも一つの方法ですけど、最後はやっぱり、試合の中です。
自信を持って狙ったとこいって、抑えて初めて、ものになってくる。それが一つずつ積み重なってコントロールは良くなると思いますけどね」
これは教えてできるものではなく、結局は本人がどういう意識で投げているか、だそうです。
「意識が大事なんで、最後は自分の物の捉え方一つ」と今中さんは言います。
スランプ脱出法
今中「考え方を180度コロッと変えた瞬間に結果が出るとか。発想の転換がきっかけになって大ブレイクするピッチャー、バッターはいるでしょうね」
同じ練習を2~3年やっても同じ結果しか出ない、そんな時は、投げ方、打ち方を変えるよりも、物の考え方をまず変えた方が良いという今中さん。
今中「それが上手い人はスランプが短いと思います。
調子が悪い時って誰でもある。一年間ずっと良いわけじゃないんでね。そこでちょっと調子崩したなと思ったら、どういう風に物を考えるか」
疲れているから無理をしないようにしよう、そんなことでも違うそうです。
今中「ちょっとしたことでもパッとハマった時は、すぐスランプを脱します」
調子といえば、ドラゴンズは一昨年は576個、去年は560個と2年連続セ・リーグワーストの四死球の数でした。これを脱出するヒントはあるんでしょうか?
今中「これはピッチャーとキャッチャーもう少し考えを一致させないと。キャッチャーとピッチャーの意図は違いますからね」
(尾関)
ドラ魂キング
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2019年01月23日18時32分~抜粋