「最近ストレートよりもフォーシームという言葉が多く聞かれるようになりました。ツーシームという言葉も聞かれます。今やシュートなんて死語になった印象があります。フォーシームとストレート、シュートとツーシームは同じなのでしょうか?わけがわかりません」(Aさん)
10月30日『ドラ魂KING』はこのおたよりから「変化球って一体いくつあるの?」と題し、野球解説者の彦野利勝さんが今のプロ野球で使われている変化球について解説しました。
昭和の「真っすぐ」は今の変化球?彦野利勝が多すぎる変化球を解説
変化球が多すぎる
Aさんのおたよりについて答える彦野さん。
彦野「これを全部細かく説明しようと思うと、時間が足りないと思いますよ」
高田「来週に持ち越しても構いませんので」
彦野「今年いっぱいかかりますよ」
現在プロ野球で使われてる変化球を挙げると、ストレート、フォーシーム、ツーシーム、ワンシーム、シュート、カットボール、スプリットフィンガード・ファストボール(いわゆるスプリット)、スライダー。
さらにスライダーの中でも縦のスライダー、高速スライダー、スラーブ、マッスラ(真ッスラ)があります。
またカーブではナックルカーブ、スローカーブ(昔はドロップと言いました)、シンカー、スクリュー、チェンジアップ、フォークボール、パームなど、ざっと調べただけでも20以上の変化球がありました。
彦野「これを全部細かく説明しようと思うと、時間が足りないと思いますよ」
高田「来週に持ち越しても構いませんので」
彦野「今年いっぱいかかりますよ」
現在プロ野球で使われてる変化球を挙げると、ストレート、フォーシーム、ツーシーム、ワンシーム、シュート、カットボール、スプリットフィンガード・ファストボール(いわゆるスプリット)、スライダー。
さらにスライダーの中でも縦のスライダー、高速スライダー、スラーブ、マッスラ(真ッスラ)があります。
またカーブではナックルカーブ、スローカーブ(昔はドロップと言いました)、シンカー、スクリュー、チェンジアップ、フォークボール、パームなど、ざっと調べただけでも20以上の変化球がありました。
昭和の野球は球種が少ない
現役時代のプロ野球を振り返る彦野さん。
「私たちの頃はこの中に入ってる変化球しか当然なかったし、もう少し単純でしたよね」
彦野さんの現役時代は昭和58年(1983)~平成10年(1998)でした。今では球種がより細分化された感があります。
「スライダーとカットボールの違いはどこか?みたいに、どこでラインを引くかってことじゃないですか。だから細かい曲がり方の違いはあっても、本人がカットボールだって言えばカットボールなんですよね。
私たちの時は当然、真っすぐがあって、カーブとスライダーとシュートとフォーク。あとシンカーぐらいですか。パームとかナックルと言う特殊球はありましたけども、投げる人がほとんどいなかったので。だから今で言うツーシームだとかそういう呼び名はなかったですよね」
「私たちの頃はこの中に入ってる変化球しか当然なかったし、もう少し単純でしたよね」
彦野さんの現役時代は昭和58年(1983)~平成10年(1998)でした。今では球種がより細分化された感があります。
「スライダーとカットボールの違いはどこか?みたいに、どこでラインを引くかってことじゃないですか。だから細かい曲がり方の違いはあっても、本人がカットボールだって言えばカットボールなんですよね。
私たちの時は当然、真っすぐがあって、カーブとスライダーとシュートとフォーク。あとシンカーぐらいですか。パームとかナックルと言う特殊球はありましたけども、投げる人がほとんどいなかったので。だから今で言うツーシームだとかそういう呼び名はなかったですよね」
ウエスタン・ラリアットとリキ・ラリアット
さらに解説を加える高田アナウンサー。
「これまたややこしいのがですね、例えばDeNAの山崎康晃投手は明らかにスプリットの握りで投げるんですけど、本人がツーシームって言うんですよ。
スタン・ハンセンがやるラリアットはウエスタン・ラリアットで、長州力がやるラリアットはリキ・ラリアットみたいな、そんな風ですかね?」
なぜか昭和のプロレスで例える高田。
彦野さんが「それでいいんじゃないですか?」とあっさり済ませると、スタジオが笑いに包まれました。
彦野「普通に考えてもらえばわかりますが、ピッチャーがバッターに対して投げてくる真っすぐに対して、変化する球は上には絶対に行きませんので、そのまま来るか、横(左右)にずれるか、下に落ちるかしかないんですよ」
確かに、シンプルに考えると球の軌道も限られて、ラリアットの呼び方の違いぐらいしかないようにも思えます。
「これまたややこしいのがですね、例えばDeNAの山崎康晃投手は明らかにスプリットの握りで投げるんですけど、本人がツーシームって言うんですよ。
スタン・ハンセンがやるラリアットはウエスタン・ラリアットで、長州力がやるラリアットはリキ・ラリアットみたいな、そんな風ですかね?」
なぜか昭和のプロレスで例える高田。
彦野さんが「それでいいんじゃないですか?」とあっさり済ませると、スタジオが笑いに包まれました。
彦野「普通に考えてもらえばわかりますが、ピッチャーがバッターに対して投げてくる真っすぐに対して、変化する球は上には絶対に行きませんので、そのまま来るか、横(左右)にずれるか、下に落ちるかしかないんですよ」
確かに、シンプルに考えると球の軌道も限られて、ラリアットの呼び方の違いぐらいしかないようにも思えます。
今の変化球は昭和の真っすぐ?
高田「昭和のプロ野球でもストレートが横にずれるピッチャーっていました?」
彦野「いました。私たちの時は、例えば同じチームで言うと、私の同期の宮下昌己」
宮下投手は150キロ以上のストレートを投げているつもりが、指の加減なのか、スライド回転してしまうんだそうです。
彦野「今で言うとカットボールになるかもしれないし、ツーシームと言うかもしれません。変化の仕方がそんな感じなんです」
高田「当時はその球を何と言ってました?」
彦野「『真っすぐ』です。ただ落ちてるなって言ってるだけです。
ちょっと変な言い方ですけど、汚い回転をしている。回転がぐちゃぐちゃっと来るんです。ベンチの中では『あのピッチャーの真っすぐは真っすぐ来ないぞ。手元で落ちるぞ』とか、そんな表現してましたね」
彦野「いました。私たちの時は、例えば同じチームで言うと、私の同期の宮下昌己」
宮下投手は150キロ以上のストレートを投げているつもりが、指の加減なのか、スライド回転してしまうんだそうです。
彦野「今で言うとカットボールになるかもしれないし、ツーシームと言うかもしれません。変化の仕方がそんな感じなんです」
高田「当時はその球を何と言ってました?」
彦野「『真っすぐ』です。ただ落ちてるなって言ってるだけです。
ちょっと変な言い方ですけど、汚い回転をしている。回転がぐちゃぐちゃっと来るんです。ベンチの中では『あのピッチャーの真っすぐは真っすぐ来ないぞ。手元で落ちるぞ』とか、そんな表現してましたね」
松坂投手の真っすぐは?
宮下選手が投げていた真っすぐを、今は球種として捉えているようです。
彦野「今は、敢えて縫い目を少しずらして握って、真っすぐの様に投げる。それで球を少し変化させるわけです」
例を挙げると、今年の松坂大輔投手が投げる真っすぐだそうです。
「基本的に綺麗な真っすぐはなくて、多分縫い目をずらして握って投げてるんで、少しずつ球が変化しするんですよね。ああいう球が、昔は“良い真っすぐじゃない”という表現でした」
高田「今で言うとフォーシームではない」
彦野「まあツーシームなのかな?
野球の本を見てこどもたちが最初に覚える握り方、これを簡単にいうとフォーシームです。それがまっすぐ回転していく綺麗な真っすぐの球。それをプロ野球の人たちは少しずつ縫い目をずらして投げるんで、ちょっとずつ変化するんですよね」
ここまで彦野さんが話したボールは、昔は全部ストレートと言っていました。
変化球の解説をするはずが、変化球まで辿り着きませんでした。彦野さんの言う通り、この解説は「今年いっぱい」かかりそうな気配です。
(尾関)
彦野「今は、敢えて縫い目を少しずらして握って、真っすぐの様に投げる。それで球を少し変化させるわけです」
例を挙げると、今年の松坂大輔投手が投げる真っすぐだそうです。
「基本的に綺麗な真っすぐはなくて、多分縫い目をずらして握って投げてるんで、少しずつ球が変化しするんですよね。ああいう球が、昔は“良い真っすぐじゃない”という表現でした」
高田「今で言うとフォーシームではない」
彦野「まあツーシームなのかな?
野球の本を見てこどもたちが最初に覚える握り方、これを簡単にいうとフォーシームです。それがまっすぐ回転していく綺麗な真っすぐの球。それをプロ野球の人たちは少しずつ縫い目をずらして投げるんで、ちょっとずつ変化するんですよね」
ここまで彦野さんが話したボールは、昔は全部ストレートと言っていました。
変化球の解説をするはずが、変化球まで辿り着きませんでした。彦野さんの言う通り、この解説は「今年いっぱい」かかりそうな気配です。
(尾関)
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