ドラ魂キング

川上憲伸が提言、ドラフトで取るべき投手とは?

10月25日に開催されたプロ野球ドラフト会議。

その前日のCBCラジオ『ドラ魂KING』では、元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、ドラフトで取るべき投手の選び方を解説しました。
題して「憲伸スカウトのプロの目利き」です。

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試合中の表情

ドラフトで獲得すべき投手とは、どんな投手でしょうか?

「一生懸命やってるのは当然ですが、高校野球であれば、マウンド上では笑顔を出さない人ね。楽しんでるイメージを出さない人」

いきなり意表を突いた憲伸さんの回答。
「終わった後に出すのは良いけど、試合中に表情に出しちゃダメなの」と続けます。

確かに憲伸さんの現役時代、ガッツポーズを出すのは試合が終わった後でした。良いプレーが出た時にニヤッと笑うのはいいけれど、緊張感をほぐすための笑顔はダメだそうです。

「プレッシャーを与えながら結果を出していくピッチャーはプロへ行っても成功すると思うんです。でもリラックスしたから結果が出たって言うのはどうかな?と思いますね」

甲子園のマウンドでも、誰かの仕草を真似するとか変な仕草をするとかじゃなくて、淡々と投げていく人を取るべきだと言います。

そして技術的にはコーナーワークができることだそうです。

「ちゃんとそこに行くっていうのは素質だと思うんですよ。上下に浮くのはいいとして、最低限コーナーワークがあると、あとは何とでもなりそうな気がするんですよね」
 

大学で完全にできていた上原

憲伸さんの同期には巨人の上原浩治さん、今季限りで巨人監督の退任が決まった高橋由伸さん、元阪神の今岡誠さんというは錚々たるメンバーがいました。
その中でも凄かったという投手は…

「学年でいうと僕より一つ下になるんですが上原投手。僕は4年生で、彼が3年生の時に頭角を現してきたんです」

上原投手と憲伸さんは、第26回日米大学野球選手権大会社のオールジャパンメンバーとして一緒に活躍します。

「彼はその時からもう完全にできてましたよね」
 

球筋が綺麗な投手はダメ?

「変則フォームはちょっと気をつけないといけないと思います。野茂さん以外はね。ちょっと変わってるフォームはなんか嫌な予感がしますね。あとは球筋が綺麗だとか糸引くような真っすぐを投げる人は一番怖いですね」

これまた意外な答え。
球筋が綺麗なら良い投手と言えそうですが、なぜ怖いのでしょうか?

「プロに入ると、変化球を両サイドについたり、外から内に入れるとか、内から外にはずしたりだとか、配球的にいろんなバリエーションが増えるんです。
球筋がピュンピュン走るピッチャーに変化球を真似させて、いざ試合でコーナーワークをサイン通りでやると高めに真っすぐがピューンって抜けたり、変化球をワンバンで叩きつけたり、そんなことが起きると、立ち直れないっていう風になるから」

このように持論を展開します。
 

パワーは後から

「僕はコーナーワークがしっかりできる、元々そういう素質のあるピッチャーを取る方が安全だと思います。それにパワーがついてきたら、今の菅野投手みたいな感じになってくるじゃないですか」

巨人の菅野智之投手は、10月14日のクライマックスシリーズでノーヒットノーランを達成しました。
さらに18年度の「東京ドームMVP賞」を受賞しました。本拠地東京ドームで10勝3敗、102奪三振、防御率1.68という成績をあげています。
 

キャッチボールを見ろ

「例えば藤川球児君のようなピッチャーが高校生でいるとします。あんな感じで真っすぐ高めにピューンって走るピッチャーは、プロに入ってからはどうなるかは紙一重だと思います」

憲伸スカウトがドラフトで取るべき投手は速さよりもコントロールができる、コーナーワークができる投手を取れということでした。
中日の清水スカウトはアマチュア野球を見る際は、キャッチボールを見ろと憲伸さんから教わったそうです。

試合だけでなく、普段から狙ったところに投げられるか?そこを見るべきだという憲伸さんでした。
(尾関)
 
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2018年10月24日18時33分~抜粋

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