最強の中日ドラゴンズ応援番組を目指す『ドラ魂KING』。
金曜日は、元ドラゴンズのエースで野球解説者・川上憲伸がパーソナリティを務める『ドラ魂KING 川上憲伸 KK SPECIAL』と題して放送しています。
川上が一週間のスポーツの話題を自由気ままに話すコーナー「ケンシン野次馬カットボール」。
2/23は、沖縄キャンプの松坂大輔投手と、平昌五輪の羽生結弦選手について話しました。
川上憲伸が語る「ブルペン投球、打撃投手登板、試合出場は全て別物」
ここから俺の野球人生が始まる!
まずは中日・松坂投手が21日、フリーバッティングで初の打撃投手を務めた話題です。背番号と同じ99球を投げました。
それまではブルペンで投げていたのが、打撃練習とはいえ初めて打者に対して投球したのです。
「室内のブルペンから打撃投手に移るのは、家から外に出て遊ぶようなイメージ」だと川上は語ります。
同じ投球練習でもそれだけ感覚が違うということです。
ブルペンというのはどうも「ここから俺の新たな野球人生が始まる!」と勘違いを起こしやすい場所なんだそうでして、キャッチャーの捕球音が気持ちよく響くものだから、球がすごく走ってる印象を受けるらしいんですね。「うわっ、スピードが10km/hくらいアップしとるわ!」と毎年思ってしまうんだとか。
しかし、いざ外で打撃投手をやってみると、球速は135km/hそこそこ。155km/hくらい出てるイメージだったのに。
ということで、まずここで1度ショックを受けつつ、改めて頑張っていこうとなるそうです。ある意味、気持ちを引き締める機会になっていたというのでした。
普通の打撃投手は、バッターが気持ちよく打てるように、打ちやすい球を投げるのが役目です。
しかし、現役のピッチャーが登板するパターンだと、「バッターを手こずらせよう」という思いも出てくるのではないでしょうか?
川上が答えます。
「例えば、松坂投手が1年目に西武ライオンズで投げていた時は、『バットをへし折ってやろう、空振りを取ってやろう』という気持ちでやってたと思うんですが、今はもう誰がバッターでも眼中にないでしょう。
自分のペースで投げさせてもらう中で、相手が気持ちよく打てばいいぐらいの感じで」
むしろ、松坂投手は肩を壊しているので、ここで無理してがっつく必要はないということです。
ここから俺の野球人生が(以下略)
では、ルーキー時代の川上は、初の打撃投手を務めた時はどんな気持ちだったんでしょう?
とにかく毎日が必死だったので、あまり記憶にないそうですが、「まずはストライクに投げなきゃ」という思いでやっていたんじゃないかと振り返ります。
その後何年か経ち、それなりの成績が出始めた頃には、「まあ、みんながやらなアカンことやから、とりあえずやっとこうか」という気持ちになっていったんだとか。
しかし川上は個人的には、打撃投手をやることにあまり意味は感じてなかったんだそう。
新しく覚えようとしている変化球を、バッターに向けて試してみるにはいい機会のような気がしますが…。
ところが川上によれば、「打撃投手ぐらいではダメ。審判がちゃんと立って、バッターも球種や緩急を読むような中で、投げるようにしていかないと意味がない」そうです。
打撃投手の時に新球を試すと、結構成功するらしく、「ここから新たに俺の野球人生が始まる!」と思ってしまうんだそうですね。
川上もシンカーのような膝元に沈む球を覚えようと、ツーシームの握りから中指を下げて、フォークのように握って投げてみたところ、バッターが「!?」と驚くものだから、「よーし、来たーっ!」とすっかり上機嫌。
しかし試合になったらカポーンカポーン打たれてしまったということです。
今年、岩瀬仁紀投手がチェンジアップとパームを合わせた新球”チェンパ”に挑戦。練習ではいい感じだったのに、24日に行なわれた日本ハムファイターズとのオープン戦では制球難で使えなかったようですから、やはり試合で試さないと無意味なんでしょう。
あくまでも野次馬的な感想です
さて、話題は平昌冬季オリンピックへ移ります。
川上が特に注目していたのは、金メダルを獲得した男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。予想通りの活躍だったと振り返ります。
「やっぱり彼の演技力。滑り終えた時に、懐かしの演歌歌手のような感じで、”ありがとうございました…”と言いながら(観客に対して深々と一礼)」
いや、フィギュアスケートで演技と言ったら、プレーそのもの、滑りのパフォーマンスを指すことであってですね。川上の言い方だと「歌い終わった演歌歌手が深々と一礼するモノマネ」みたいになっちゃいますから。
言葉のアヤはさておき、あの姿で胸がキュンとなった人は多かったでしょうと語る川上。
「僕も試合でやれば良かったですね。『打たれてしまいました…』って」
いやいや、なぜ真逆のシチュエーション!?
「それ、全然ドラマチックじゃないですよ」「誰も喜ばないですよ」と、共演者から総ツッコミされる川上なのでした。
(岡戸孝宏)
関連記事