ドラ魂キング

打撃投手からわらび餅職人へ、山田喜久夫の華麗なる転職

最強の中日ドラゴンズ応援番組を目指す『ドラ魂KING』。木曜日はメインパーソナリティー・久野誠アナウンサーによる「名選手こぼれ話」をお送りしています。

11/23は、山田喜久夫(きくお)投手を取り上げました。
山田投手はセンバツ優勝投手ながらドラフト5位でドラゴンズに入団。華々しい活躍はできなかったものの23年間プロ野球界に携わってきました。現在は和菓子職人に転身し、経営するわらび餅店は人気を博しています。

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愛称はキクちゃん


この経緯は今年9月、TBSテレビ系の情報バラエティー番組『爆報!THEフライデー』でも紹介されたので、ご存じの方もいるでしょう。

現役時代から公私ともに交流のある久野が、改めて山田投手について詳しく紹介していきます。

山田喜久夫投手は1971年7月17日、愛知県生まれの46歳。左投げ左打ち。東邦高校ではエースとして甲子園に3度出場し、2年春(88年)に準優勝、3年春(89年)に優勝を果たします。
ちなみに決勝相手は、大阪府・上宮高校で、この年同じくドラゴンズに6位指名されチームメイトになる種田仁選手や、後に読売ジャイアンツに入る元木大介選手がいました。

プロ1年目の90年から17試合に登板し、3年目の92年8月20日広島戦(ナゴヤ球場)でプロ初勝利。主に中継ぎとしてブルペンを支えました。あの有名な94年の10.8決戦にも2番手として登板しています。ジャイアンツの松井秀喜選手にホームランを打たれてしまいましたけれども。

「キクちゃん」という愛称で親しまれていて、その後「キク山田」「キク」と選手登録名を変えたこともありました。

99年に広島東洋カープへ移籍し同年限りで引退。一軍登板がない年があるため実働は8年で、通算222試合6勝8敗、防御率3.76。先発が9試合でリリーフが213試合。当時は中継ぎ投手のための記録・ホールドという制度がありませんでした。もしあったらかなりのホールド数を稼いでいたことでしょう。

2000年から07年まで横浜ベイスターズで、08年から12年まではドラゴンズで打撃投手を務めました。

プロ野球選手が競馬場を走る


その他、久野が強く思い出に残っているエピソードでは、CBCテレビ『サンデードラゴンズ(サンドラ)』の司会を務めている時のこと。

『サンドラ』では、シーズンオフになるとドラゴンズの選手がゲスト出演し、“公約”をしてもらうことがあります。
「来季はこれこれこのくらいの成績を残す」と宣言してもらい、それが達成されれば次のオフで番組からご褒美をゲット、できなければペナルティーを受けるというもの。

山田投手はある年、今中慎二投手らと一緒に、ペナルティーとして中京競馬場のダートコースを走りました。
競走馬なら速く走れるものでも、人間に適している走路ではありません。アスリートといえども遅い遅い。そんな中、山田投手は見事1着でゴールインしたのでした。

今ならいろいろ言われて実現できないような企画ですね。でも、このような困難な道をコツコツ進んでゴールにたどり着く山田投手の姿勢が、その後の人生にも生きていくことになります。

それから『サンドラ』の取材で、愛知県十四山村(じゅうしやまむら。現在の弥富市)にある、山田投手の実家に行ったことがある久野。そこで初めて会った山田投手の両親が優しく迎えてくれたといいます。特に母親は山田喜久夫投手にソックリのニコニコ顔。久野は「これぞ日本の母」だという印象だったとか。

その後、久野が入院した時も、両親がわざわざお見舞いに来てくれて感動したのだそう。
そんなつながりもあって、山田投手の結婚式の司会を久野が務めました。ベイスターズの打撃投手時代には、東京で学生をしていた久野の息子(ドラゴンズファン)に横浜スタジアムのチケットを手配してもらったことが何度もあったそうです。家族ぐるみの付き合いなのですね。

華麗なる転身


通算で13年間、打撃投手をやった後、2012年で球界から退いた山田さん。その後、愛知県稲沢市にある名店「町家かふぇ」のわらび餅を手土産にあいさつ回りしたところ、大好評。それがきっかけで和菓子職人の道に進むことを決意するのでした。

1年間の修行の末、2014年「喜来(きく)もち ろまん亭」という和風カフェをナゴヤドーム近くにオープン。テイクアウトもあり、人気の店になっています。飲食業に転身する元プロ野球選手は多いですが、和菓子職人は異例ですね。
余談ですが、“ドラゴンズ左腕投手と和菓子”と言えば、実家が老舗の和菓子店である高橋聡文投手(現阪神タイガース)が思い出されます。本当に余談ですけど。

ちなみに、「ろまん亭」のわらび餅はふわとろ。大福はこしあんとクリームが入っていて非常にミルキー。バームクーヘンは凍らせて食べると美味しいそうです。

一方で、野球への感謝の気持ちからNPO法人「侍」を立ち上げ、子どもたちに野球を教えているのだとか。
山田さん自身にも3人の息子がいて全員野球をやっており、特に長男は今春、母校の東邦高校野球部に入部しています。
これは山田さんも野球ファンも楽しみですね。
(岡戸孝宏)
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2017年11月23日18時32分~抜粋

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