11月7日の『ドラ魂KING』、「ドラ魂ズバリ解説」のコーナーでは、元中日ドラゴンズ投手でCBC野球解説者、小松辰雄さんが出演。
2年ぶりに日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスを例にとって「強い組織って何だろう?」をテーマにお話をうかがいました。
ドラフトで獲って、ゆっくり育てる
「日本シリーズ見てても感じたんですけど、改めてソフトバンクの層の厚さとか、あるいは若手が育ってるなーっていうのを感じましたね」と久野誠。
「そうですね。ここ何年かでドラフト1位の選手が入ってますけども、ゆっくりしてくれればいいって感じですもんね」と小松辰雄さん。
ソフトバンクは、ドラフトで獲った人たちは、じっくり育てる方針のようです。
頑張る育成選手
その一方で、育成の選手が頑張っています。その典型的な例が、日本シリーズ、ソフトバンクの1戦、2戦、3戦の3連勝。第1戦は千賀滉大選手。2戦目と3戦目は石川柊太選手が勝利投手になりました。この二人は育成出身の選手です。
「千賀なんか蒲郡出身ですからね」と小松さん。ソフトバンクの千賀選手は、名古屋市のスポーツ用品店の人から薦められて獲ったという選手です。
資金力のある2チームの違い
ソフトバンクはお金も使っています。セ・リーグでいえばジャイアンツ。この2チームが資金力の代表です。
ソフトバンクは、ロッテからアルフレド・デスパイネを獲りました。西武からは、かつては広島にいたデニス・サファテを獲っています。この二人が投打で活躍しました。サファテは日本シリーズMVPを受賞しています。
一方のジャイアンツは、それなりにお金も使って集めた選手が、あまり活躍ができませんでした。
「ソフトバンクは選手の能力だけじゃなしに、キャラクターだとか、過去の怪我の履歴なんかもしっかり調べ上げている。その情報力みたいなものも感じるんですけどね」と久野。
「ジャイアンツへFAで入った選手っていうのは、あんまり活躍してないですよね。2014年に西武から来た片岡治大がもう引退ですし。やっぱり、ジャイアンツへ行くとプレッシャーがあるんじゃないでしょうかね。人気球団ですからね」と分析する小松さんです。
2チームは選手の数が多い
「ジャイアンツとソフトバンクは数が多いですからね」と小松さん。
ソフトバンクの今年の数字を見ると、支配下選手が65人。育成が23人。合わせて89人。一軍の支配下登録というのは28人です。ということは61人が余っていて、この人たちが二軍と、さらに三軍とに振り分けられているんです。
「二軍だけだと、試合数は限られてますから、育成選手が試合に出れないんですよね。だから三軍制を作って、バスでいろいろ移動しながら、いろんなチームと練習試合をやるんですよね」と小松さん。
ジャイアンツにも三軍制があり、名古屋までバスで来ているそうです。悔しかったら上にあがれということでしょう。アメリカがそうです。
例えばドジャース傘下には二軍、三軍、四軍、五軍、六軍、七軍、八軍ぐらいまであり、。1Aだけでも3チーム持っています。
小松「ドラゴンズでも、やっぱり育成選手が試合に出れないということを聞きますからね。試合に出て、覚えていくことがいっぱいあるんでね。試合をやっぱりやらないとね」
久野「去年、この番組でね、寮の若手選手と電話をした時に、某選手が、なかなか出番がないんですと。育成の選手って、なかなか二軍の試合にも出してもらえない。スタメンなんてとんでもない、ぐらいの扱われ方だといいます」
ソフトバンクは施設も凄い
「ソフトバンクと巨人は、二軍、三軍があって、さらにソフトバンクは調べてみてビックリしたんですけど」と久野。
福岡から約50キロほどの田んぼの真ん中に、「HAWKSベースボールパーク筑後」という広大な施設があります。二軍、三軍に、それぞれ寮と球場があり、常に試合ができるようになっています。
「で、三軍団は、それこそ独立リーグとか韓国まで遠征にまで行って、とにかく試合数をこなし、三軍の選手も試合に出られるようにする。選手ってやっぱり試合に出てこそでしょ?」と興奮気味に話す久野。
「試合に出なきゃ、覚えられませんしね。またソフトバンクは王貞治さんというしっかりした人がいますからね」と小松さんです。
福岡ドームを核とした複合商業施設「ホークスタウン」まで作っています。そうすると地域の人も応援するようになります。
資金力の違い
「ソフトバンクは、三軍の運営費だけで3億円ぐらい使ってるみたいですよ」と久野。
ソフトバンクは、一人の選手に莫大な金額を出してるイメージですが、実は、組織全体に資金を投資しているようです。
「やっぱり金のある球団は、そうなりますよね。数撃ちゃ当たるでね。大化けするかも分からないから、ちょっと良いモノがあれば、とりあえず獲っとけと。ジャイアンツのソフトバンクも、そういうふうに獲ってると思うんですよね」と小松さん。
「今年は、ジャイアンツ、育成、8人獲ったでしょ?ソフトバンクは6人獲ってますからね。それに対してドラゴンズは2人です」
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ドラゴンズの亀澤恭平選手はソフトバンクに3年いた選手です。この亀澤選手について、
ソフトバンクの元監督、秋山幸二さんは、「良い選手だというのは分かってた。ところが、出番がなかった」と話していたそうです。
結果的に亀澤選手にとっては、ドラゴンズに来て良かったわけですが、ソフトバンクにはそれだけの層の厚さがあるんですね。それには、きっちり選手を集めて、それなりの設備を用意することが大切です。
「お金がなかったら、スポンサーを募るとかね。ドラゴンズもやってほしいですけどもね」と言う小松辰雄さんです。
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(尾関)
ドラ魂キング
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2017年11月07日18時32分~抜粋