2017年9月2日(土)

アポロ11号でも使用された宇宙で使えるペン。地球でも使えるの!?

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

8/31の「情報サプリメント」では「宇宙ペン」を取り上げました。
宇宙ペンとは、宇宙空間で、例えばISS(国際宇宙ステーション)の中で、ものを書くことができるペンなのです。

先日、亀田製菓の「亀田の柿の種」が、宇宙飛行士がISSで食べるおやつとして認められました。これと同じように宇宙に適したペンというものがあるのです。

アメリカの会社フィッシャー社が開発したこのペンを日本国内で扱っている、ダイヤモンド株式会社の柴田さんに多田しげおが伺いました。

宇宙では地球の筆記具が使えない

ダイヤモンド株式会社で販売されている「宇宙ペン」の正式名称は”FISHER SPACEPEN(フィッシャースペースペン)”。
フィッシャー社が100万ドル以上かけて開発したそうです。

私たちが地球上で使っている筆記具はなぜ宇宙で不都合なのか?この問題を考えると、自ずと改良ポイントがわかります。

-まず、我々が身近に使っているボールペンは、なぜ宇宙では使えないのでしょうか?

ボールペンは真ん中の芯にインクが入っています。地球上には重力があるから、インクが徐々に下がり、書くことができます。
しかし宇宙では無重力なので、ボールペンでは書けたとしても2、3行で、すぐ書けなくなります。重力のない宇宙ではボールペンは使えません。

-万年筆ではなぜ不都合なのでしょうか?

万年筆は書こうとすると、重力がない空間なので、ペン先からインクが飛び散ってしまいます。やはり宇宙では不向きです。

-鉛筆はどうでしょう?

もし芯が折れると、精密機械に入り込んでしまって機械が故障する危険性があります。よって鉛筆は使われなかったようです。
とにかく、宇宙ではものが飛び散ることが絶対にダメなんです。

宇宙ペンはどう違う?

-こういったことを克服して開発されたのが「宇宙ペン」ですが、いったいどういうものでしょうか?

基本の構造はボールペンです。真ん中に芯があってインクが詰まっていますが、そこに改良点があります。

芯の内部に窒素ガスが混入されていて、窒素ガスによって内部の圧力を一定に保ちながら、重力がなくてもインクを徐々に押し出します。

しかもその封入されているインクが、超粘性、弾力性のある特殊インクで、飛び散ることがないように考えられています。
こういった非常に革新的な芯が入っています。

アポロ11号でも使われた

実は宇宙ペンの歴史は古く、フィッシャー社がNASAの依頼を受け開発したのは1968年のこと。
アポロ計画で採用されて、その後1969年、月面着陸のアポロ11号の際も使用されたそうです。

今はISSの中で文章を記述する時は主にパソコンを使うそうですが、当時はパソコンが発達していなかったので、こんな風に工夫されたペンが必要だったのです。

今でも図形を書く時に、このペンが使われたりします。図形はコンピューターでは書きにくいそうです。

宇宙ペンは地球でもスグレモノ

最近、一般のユーザーの方の間でファンが増えているそうです。
デザインの良さもありますが、このペンでないと不便だという人も結構います。

ポイントは窒素ガスの圧力により、重力に頼らずにインクを出す点。そして非常に粘り気のある特殊なインク。
さらに非常に暑いところでも、寒いところでも耐えるようになっており、これらの特徴から地上ではこんな使われ方をしています。

例えば、病院で入院されている方が、上向きで書くことができます。
粘り気のあるインクですので、水中でも溶けずに書くことができます。
また油性のものの上にも筆記が可能です。
さらに、夏は高温になる車の中でも使用ができます。

“FISHER SPACEPEN”は大手百貨店で購入可能で、1本4,320円(税込)だそうです。

そのネーミングといい、機能といい、マニア心をくすぐりそうな一品ですね。
(みず)

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