2017年8月23日(水)

消え行く海水浴場。実は上流のダムが原因!?

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

8/21放送の“情報サプリメント”は「海水浴場が減っている」についてです。
今年すでに海水浴場に行った、という方も多いことでしょう。その“海水浴場”が減ってきているとは、どういうことでしょうか。

日本観光振興協会が調べた数字では、全国の海水浴場は、2005年は1,264ヶ所。
ところが、10年後には1,111ヶ所に。
つまり10年間で153ヶ所、なんと1割以上の海水浴場がなくなってしまったのです。

海水浴場にいったい何が起こっているのか、多田しげおが、大阪大学大学院の工学研究科教授の青木伸一先生に伺いました。

海水浴場が海水浴に適さない?

最近、特に若い人が海水浴場へ行かなくなってきました。

人が少なくなってきたという経営的な理由で海水浴場を閉鎖しているところもあります。しかし、もっと怖いのは、海水浴場が海水浴には適さない、という理由で閉鎖されているところが、結構たくさんあることです。

海水浴に適さないとは、いったいどういうことでしょうか?

理由のひとつに、砂浜が減って海水浴場として成り立たなくなった、ということがあります。

砂浜が痩せていくところは、まず細かい砂がなくなります。そして、だんだん粗い砂になってきます。
砂利のような海岸になると、海水浴場として適切でなくなります。

また、粗い砂になるとどうしても波打ち際が急になります。遠浅のビーチだったのが、だんだん急深になり、あまり海水浴に適さないビーチになります。

川が砂を供給しなくなった?

実は、砂浜の砂は基本的にずっとそこにあり続けるわけではないのです。
波が押し寄せるなどの理由でどんどん移動しています。でも移動した分だけ砂が供給されていると、砂浜はある一定量の砂を維持することができます。

砂浜の砂の供給源は川です。ところが、川から砂が海岸に出てこなくなったのです。それで、砂浜の砂がだんだん減ってしまっているのです。

第一の理由はダム建設

なぜ川から砂が供給されなくなったのでしょう?

大きな原因はダムの建設です。
ダムは水を止めて発電し、洪水を止めますが、同時に山から出てくる砂を止めます。

佐久間ダムや矢作ダムにも大量の土砂が溜まっています。それは本来ならば、何十年かけて海岸に出てきたはずの砂です。それがダムに溜まったまま出てこないのです。

そうなると、徐々に河口付近から砂浜が減っていきます。天竜川の河口部分はかなり砂浜が減っているし、矢作の方でも三河湾の干潟が減っています。

ダムが水をせき止めると同時に、上流からの砂もせき止めてしまって、河口付近に砂を供給できなくなってしまっています。

第二の理由は土砂の建築利用

もう大きなひとつ理由があります。

河川の中には土砂がいっぱいありますが、それを高度成長期に、建設資材としてたくさん採りました。
人間に採られた砂からダムができ、ビルがたくさん建ちました。

その一方で、砂がダムに溜まったり、他のところへ持っていかれたりして、河口に供給されなくなり、やがて砂浜の砂がなくなって海水浴場が減っていった、ということです。

ダムの砂を河口まで流せるか?

では人間の力で、ダムに溜まった砂を下に流すことはできるのでしょうか?

トラックで運ぶというならまだいいですが、川を通して流すと水が濁ったり、河川が浅くなったりと弊害が起こります。
河川が浅いと、洪水の時に水を十分に流せなくなります。河川をうまく維持しつつ、ダムの砂を下流に流すのはかなり難しいです。

実はダムにはものすごく砂が溜まり、水深が浅くなり、もともと想定していた水を溜めることができなくなっています。
その砂を河口に流したいのに、それができない。一方、砂浜はどんどん減っています。

国のレベルで対策が始まろうとしていますが、今のところいい案が出てないという状況です。
むかし泳いだ海水浴場の砂浜が変わらずにあるか、行ってみたくなりました。
(みず)

アーカイブス

同じカテゴリー

|
facebook twitter hatebu line