2017年7月31日(月)

今年は『土星の輪』が、いちばんよく見える年

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

7/28はシリーズ「天体の不思議」と題して「土星」について、名古屋市科学館天文係の毛利勝廣さんにスタジオで伺いました。

聞き手はパーソナリティの多田しげお。
土星の輪は何でできているか、どのくらいの厚さか、探査機カッシーニについてなど、土星について興味深い話をたくさんお聞きしました。

今年は土星が見ごろ

土星が一番きれいに見える時期をご存知ですか?毛利さんによれば、ちょうど今の時期だということです。

「日が沈んで、8時くらいに暗くなって、南の空、高さ30度くらいに見えます。南の空のちょうど中ほどくらいのイメージです。明るい星が2個あって、明るくちょっと黄色い星が土星、もうひとつはさそり座のアンタレスです」

土星には特徴的な輪がありますが、今年はその輪がとても見やすいそうです。その理由を伺いました。

「土星は太陽のまわりを、輪を一定の方向に傾けたまま30年かけて回ります。ちょうど今年は輪の傾き27度と、一番大きくなる年です。傾くと輪がよく見えます。望遠鏡で見ると、今年は帽子みたいに見えます」

実は土星の姿は、毎年が変わるそうです。2025年には、輪が線のように細く見えるそうです。

土星の輪のひみつ

ところで、なぜ土星だけに輪があるのでしょうか。

「土星だけと思っていましたが、実は木星にも、天王星や海王星にもあり、大きめの惑星には輪があるとわかっています。ただ土星の輪は圧倒的に存在感があります」

46億年という太陽系の歴史の中で、いま偶然、土星がすごい輪を持っているだけかもしれないし、昔からずっとあったかもしれない。そうした謎を解明するために、土星には探査機が向かい、ずっと観測をしています。

そもそも、あの土星の輪は何でできているのでしょう?

「氷とか石の欠片が回っているものです。衛星とか天体が粉々に砕けて、それが回っていると考えるのが自然です」

厚みはどのくらいなのでしょう?

「数十mから100mくらい。惑星のスケールと考えると本当に薄いです。土星の大きさは本体が地球の9倍、12万kmくらいあって、輪が27万km。桁違いの薄さです」

土星はどんな星?

土星はどういう環境の星なのでしょう?

「太陽から遠いから、寒いです。氷もマイナス180度くらいで岩のよう。土星の本体はガスの塊で、着陸はできません。気体があって雲があって渦ができています。もっと中は、それがぐっと押されて液体のような状況になり、一番奥には岩石の核の部分があると思いますが、誰も中を見られません」

ちなみに、土星に衛星はあるのでしょうか?

「たくさんあります。名前をきちんと決めているものだけで53個。土星の衛星の一番大きいものはタイタンと言い、水星より大きいです。最終的には輪を作っているものと、衛星との境目がなくなってくると思います。衛星も砕けて輪の一部になるかもしれません」

土星探査機の仕事

さきほど話に出た土星探査機についても伺いました。

「ボイジャー1号・2号は、通り過ぎの観測です。いま期待の元に人類が送り込んだのが、最期を迎えようとしているカッシーニという探査機です。打ち上げが1997年。土星に到着したのが2004年です。探査機は、時には遠くの方を回ってみたり、近くを回ってみたり。輪のギリギリを通るのはリスクがあるので、最初は遠巻きに観測していました。土星の冬に到着して、春分になり、今は夏至になりました。観測も最後になり、輪の外側のすれすれを飛び、今は本体と輪の間のすきまを通り抜けたりしています」

探査機は最終的にどうなるのでしょう?

「ガス体に突入して燃え尽き、巨大な流れ星になります。これには、二つ意味があって、ひとつは本体のギリギリを攻めて、突入する直前までデータを取りたい。もうひとつは、太陽系の中の環境を大切にしようという人類の責任。土星の衛星には大量に水があったり、タイタンはメタンの川の流れがあるなど、すごいところがたくさんあります。地球から送り込んだ探査機にはなんらかの地球の物質がついています。それを落としていいのかと考えると、万一のリスクを回避するためにも、ちゃんと流れ星として消してあげる」

この時期は土星の観測には絶好のチャンス。
毛利さんの話を思い出しながら、夜空を見上げてみたいですね。
(みず)

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