2017年5月14日(日)

【コラム】民放ラジオ番組の変遷(5)

RadiChubuスペシャル / カルチャー

主にAM局の番組がどのように変化してきたのか、CBCラジオの歴史を織り込みながら振り返っています。
第1回はこちらから、第2回はこちらから、第3回はこちらから、第4回はこちらからお読みください。

女子大生がラジオに登場

多くのラジオ番組は、少なくとも1〜2年に渡って放送されることを想定しているため、テレビ番組と比較して時代の流行を取り込んだものはそれほど多くありません。
しかしどういうわけか、ある時期一斉に増え、やがて消えていったタイプの番組があります。

1981年秋改編で、文化放送は1969年から続けていた若者向け深夜番組『セイ!ヤング』を終了し、女子大生をDJとした番組『ミスDJリクエストパレード』をスタートしました。
パーソナリティには、一部の局アナを除き、大学に通っていた女性タレントが起用されました。その面々は、一昨年亡くなられた川島なお美、現在キャスターとして活躍する長野智子、女優の斉藤慶子、向井亜紀、シンガーソングライターの飯島真理、当時短大生だったアイドルの松本伊代、千倉真理、川口雅代など、後年も幅広く活躍することになる錚々たる顔ぶれでした。

もともとこの『ミスDJリクエストパレード』は、タイトルからもわかるように、それまでのトーク番組から音楽を主体に聴かせる番組へとシフトさせる企画でした。
そのためパーソナリティには、長時間のトークよりもテンポのいい番組運びが期待されていたようです。
1981年という時期を考えると、現在FM局で制作されている女性ナビゲーターによる音楽番組の先駆けともいえる試みでした。

「女子大生」というブランド

1983年4月、フジテレビが女子大生たちを多く起用した深夜番組『オールナイトフジ』を開始します。
この番組ではデビュー間もないとんねるずの起用、風俗を扱った企画など過激さを売りにしていました。女子大生も数多く出演し、ユニットとしてレコードデビューした「おかわりシスターズ」など、その「過激さ」の一端を担うこととなります。

番組内における役割や企画趣旨はまったく違えど「女子大生」というブランドを前面に押し出した『ミスDJリクエストパレード』と『オールナイトフジ』。
80年代前半に起こった「女子大生ブーム」は、世間的には、この2番組が発祥と言われています。

同じ頃『ミスキャンパス 月夜をまるかじり』(HBCラジオ’83)『ミスキャンパスDJ』(MBSラジオ’82)など、全国各地で女子大生を起用した深夜番組が次々に始まりました。

CBCラジオも82年10月に『今夜もシャララ ぽっぷるfeeling』なる番組をスタートします。ちゃっかりブームに乗っているようですが、こちらは同じ年代の女性リスナーの獲得を目指して企画されました。
この番組からは、現在時代劇研究家としても知られるコラムニストのペリー荻野、シンガーソングライター明日香(2013年逝去)、タレントの平松圭子らを輩出しています。

パーソナリティの変化

これらの流れは、1970年を境にタレントやミュージシャンの起用が続いてきた深夜番組のターニングポイントとなりました。

それまでは寄席、劇場、コンサート、アニメなど別ジャンル・別メディアでの実績を持ったタレントたちがマイクの前に向かっていたのですが、このいわゆる「女子大生ブーム」をきっかけに、ラジオ番組でメディアデビューを果たすタレントが数多く登場したのです。
80年代に入り、各局でパーソナリティのオーディションも盛んに行われるようになりますが、これも一連のブームが契機になっているようです。
またパーソナリティ経験者の中にも、活動のメインをラジオ番組へとシフトするタレントが増えていくのもこの時期です。

女子大生を企画の軸に置いた番組は、そのほとんどが80年代半ばに姿を消してしまいますが、リスナーにとってより身近なパーソナリティが誕生したきっかけとして記憶されるべきブームでしょう。
(編集部)

※文中敬称略

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