2017年5月1日(月)

今日人類が初めて(じゃないけど)木星について話したよ

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

4月から5月にかけてのこの時期は、木星がよく見える絶好の観察シーズンなんだそうです。
夜7時か8時くらいに、南東の方角を見て下さい。地上から天空までの中ほどの位置に、一番明るく光る星。それが木星です。

「見つけるのに自信がないよ」という人は、5月7日の同時間がサービスタイムです。
なんと木星のすぐ上に、お月様が来てくれるのです。さすがに、月を見つけられない人はいないでしょう。最高の目印ですよね。分かりやすい。
胸に赤いバラを挿して待ち合わせするようなものです。気恥ずかしさは段違いですけど。

今回はこの「木星」をテーマに、名古屋市科学館の天文係・毛利勝廣さんにお話を伺いました。

遠くて近い存在

ここで改めて、木星さんのプロフィールを紹介しましょう。
太陽系の中で、大きさ・質量ともに最大の、第五惑星。直径は地球の11倍。つまり、木星の赤道に地球が11個も並ぶのです。

木星と地球との距離は、どちらも常に動いているので一定間隔ではないですが、今は比較的近く、約6.8億km離れています。
地球と太陽との距離が約1.5億kmなので、大体その4.5倍です。2つお隣りなだけなのに、かなり遠いですね。

光の速度では40分かかる距離です。ですから、地球上から今見えてる木星の輝きは、40分前のもの。テレビ番組でいうなら、つい先ほど収録した映像をほぼそのまま放送する“撮って出し”状態ですね。

ちなみに、木星のすぐ下に、おとめ座の一等星・スピカが見えますが、こちらは地球から250光年。「この番組は250年前に収録したものです」とテロップが表示されるレベルです。
こうしてみると、天文学的には木星は近いですね。

宇宙で発見!こんなところに生命体?

木星はほとんどが気体(ガス)でできています。着ぶくれしているようなものですね。いや、“気ぶくれ”と言った方がいいかも。
その身にまとっている衣服はいつもボーダー。つまり木星の外見は縞模様だというのは、皆さんご存知でしょう。あの正体は、雲なんです。成分は主にアンモニアや硫化物だと考えられています。

地球での雲は水蒸気や氷の粒の集まりですが、木星は氷点下150度もある寒さなので、アンモニアが凍って雲になっているというのです。人間どころか、生物が住める所ではありません。

ただ、親分がダメでも、その子分に期待が持てるということが最近分かってきました。
木星には衛星がたくさんあります。軌道が確定してるものだけでも53個。その中に、表面は凍っているものの、氷の下に水があって、もしかすると生物が存在するのでは…?と注目されている衛星があるのです。

もし生物の存在が確認されれば、地球上の生命の誕生を紐解く事ができ、また、既に3,000個以上発見されている太陽系外惑星での生命体にも希望が持てるのです。

木星が英語でジュピターと呼ばれる訳

地球は1年かけて太陽の周りを回っていますが、木星はどれくらいかけるのでしょう?

答えは、12年。干支が一回りする間に、木星も一周するのです。随分とゆったりしていますよね。地球が、舞台に登場する時のオードリー・若林正恭なら、木星は春日俊彰といったところ。

更に木星のやつときたら、またたかないのです。他の星のようにチラチラと点滅しないのです。明るく大きい星のため空気の揺らぎに影響を受けないのです。
ゆっくり動き、どっしり輝く。その存在感が偉そうに思われたので、古代の人々は木星を全知全能の神・ゼウスに見立てたのでしょう。
ゼウスはギリシャ神話の最高神。ローマ神話ではユピテル。その英語読みがジュピターという訳です。

一方、地球は24時間で自転しますが、木星はなんとたったの10時間。でかい図体でせわしないったらありゃしない。公転はユッタリ、自転はセカセカ。

ただゼウスも、せわしなくアチラコチラの女神や人間の女性に手を出していたので、むしろピッタリかもしれません。

ガリレオがガリレオでガリレオ

太古の昔から感覚的に注目されてきた木星ですが、初めて科学的に注目したのは誰でしょう?
答えは、ガリレオ・ガリレイです。400年ほど前、彼は自作の望遠鏡で月のクレーターを発見し、太陽の黒点を発見し、木星の衛星を4つ発見したのでした。
その偉業にちなんで4つの衛星は『ガリレオ衛星』と呼ばれています。『ガリレオ』という名の木星探査機もあります。

毛利さんいわく、木星は探査がしやすい星なんだそうです。
探査機が飛ばされた数は火星の方が多いけれど、木星は大きくて引力が強く、探査機をうまく引っ張ってくれるため、失敗が少ないといいます。
火星は引力が小さいので探査機がうっかりスルーしてしまう事もあるとか。
逆方向の水星・金星の探査機は太陽の引力に引っ張られやすいため、こちらも難易度が高いと。

火星は近場で繁盛してる人気スポットだけど、あぶれる事もある。木星はちょっと遠出になるけど落ち着ける隠れ家的スポット。というところでしょうか。

ゴールデンウィークはぜひ、木星に注目せい!
…どうやら別の意味での“引く”力が働いたようです…。
(岡戸孝宏)

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