2018年2月10日(土)

飛べないテントウムシがアブラムシから畑を救い、また飛ぶ?

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

2月8日放送の『多田しげおの気分爽快!!』、「情報サプリメント」のコーナーは害虫のアブラムシについてです。

アブラムシの駆除にテントウムシが起用されていることはご存知の方も多いと思いますが、さらに新しいタイプのテントウムシが登場しているそうです。

これに取り組んでいるのが千葉県立農業大学校。こちらの病害虫専攻教室の清水敏夫先生に伺いました。

アブラムシは困りもの

-そもそもアブラムシはどういう虫でしょうか?

「アブラムシは2~4mm程度の非常に小さい昆虫で、日本で700種類以上生息しているそうです。あらゆる植物に寄生して、針のような口で植物を突き刺して栄養を吸い取り、植物を弱らせてしまったり、その排泄物で、すす病という病気を発生させたりします。
もっともやっかいなのがウイルス病という病気を媒介すること。このウイルス病は一度感染すると農作物の生育が不良となって、その影響で収量が減ったり味や見た目が悪くなったりします。
なおかつ、ウイルス病にきく農薬がないので、いったん畑で発生すると周囲の農作物に次々と感染するので、早目に感染した植物を抜き取って処分するという対策が必要となります。こういったことからアブラムシの駆除が求められています」

意外と怖いテントウムシ

─そこで、登場するのがアブラムシの天敵テントウムシですね。

「アブラムシを食べる肉食性のテントウムシがいて、ナミテントウ、ナナホシテントウが代表的なものです。この肉食性のテントウムシは非常に大食漢で、1匹の成虫のテントウムシがアブラムシを一日に100匹程度食べてくれます。

実はテントウムシは非常に獰猛で、生まれてすぐに同じ兄弟を襲って食べてしまうという習性があります。非常に強い肉食性がアブラムシに対して強い防除効果が得られるということで注目を集めています」

飛べないテントウムシを作る

これを農園などに放てばいいのですが、このテントウムシはちょっと食べるとすぐ飛んで行ってしまいます。

そこで飛べないテントウムシを作ってそれで駆除しているそうです。そして、もっと新しいタイプのテントウムシが今登場しています。
テントウムシの羽を広げられないようにしよう。羽を1匹1匹樹脂で固めたテントウムシなるものが開発されたそうです。

「グルーガンという工具を使い、樹脂を溶かし、羽が開かないように羽の上を接着します。樹脂を溶かすとかなり高温になりますが、テントウムシはやけどをしたり、死んだりはしません。接着は1匹当たり2秒以内。ほとんどのテントウムシは接着されたことに気が付きません。
ただ接着するのに1匹ずつ手でもっていたら時間がかかるので、バトミントンのラケットに洗濯ネットを取り付けけ、上から大量のテントウムシを押さえて動けなくして、グルーガンで接着するという技術を大学校で開発して、これのおかげで飛べないテントウムシを大量に生産することができるようになりました」

大食漢のテントウムシ

飛べないテントウムシはどのくらい食べてくれているのでしょうか。

「飛ばずに歩いて、1日100mくらい移動することもあり、ひたすらアブラムシを食べてくれるので、非常に農家さんに喜んでいただいています」

テントウムシは再び飛ぶ!

─羽を樹脂で固定してかわいそうな気がしますが…。

「樹脂は2カ月間ついていますが、その後、自然とポロっと剥がれて飛べる状態になります。しかもテントウムシの寿命は半年から2年くらい生きますので、剥がれてから十分繁殖できる期間があり、テントウムシに配慮した技術だと思います」

この方法を考えたのは、千葉の高校生たちだそうです。
その高校生たちが今はこの千葉県立農業大学校の研究室でこういった取り組みを行っているそうです。

アブラムシ=ゴキブリ?

この話題について、こんなメールが寄せられました。

「アブラムシと聞くと、昔うちのかあちゃんがゴキブリのことをそう呼んでいたことを思い出しますね」(四日市市・Aさん)

多田は「関西では、昔、ゴキブリのことをアブラムシと言ってましたね。私も植物につくアブラムシは成人してから知ったくらいです」と、思い出したよう。
アシスタントの原田裕見子は「ええ、そうなんですか?」と、とても驚いた様子。

ところが、この後「ゴキブリのことをアブラムシというのは関西圏だけではないよ」というおたよりが各地からたくさん寄せられました。

「原田さん、浜松周辺でもアブラムシですよ」(湖西市・Bさん)というおたよりも。
「いや、言わないですよ。湖西市は言うんですね」と、あくまでも出身の浜松市では言わないと主張する原田。

「ゴキブリのことをうちの祖母は『ぼっかぶり』と言ってましたよ」(Cさん)というおたよりも来ました。
多田は「そういえばうちのおふくろも言ってましたね」となつかしそう。

ゴキブリもいろいろな呼び名があるのですね。といっても、今日の話題はアブラムシなんですが。

アブラムシは江戸時代の言葉?

ところがこの話、意外なところから情報がもたらされます。この日の「私のPON棚」に登場した書評家で文芸評論家の大矢博子さんのお話です。

「実は、アブラムシは方言ではなくて、江戸時代の言葉なんです、全国共通で。明治になって『ゴキブリ』という風に呼ばれ始めて、それがなまって『ごっかぶり』などになった。ということで『アブラムシ』は方言というより、古い言葉がまだ残っていたということだと思います」

「ほー!」と二人ともただただ感心。
大矢さんの話によると「アブラムシって、別の昆虫で『アリマキ』のことをアブラムシって言うんです。それと混同しないように、ゴキブリの方がメジャーになったという話をどこかで読みました」とのこと。

「さすが博識ですね。今日はそんな話をもっと聞きたいくらいです」と多田。

「飛べないアブラムシ」の話が、リスナーのリアクションから、いつの間にか、ゴキブリの呼び方に話が移っていくのが生放送の面白いところですね。
(みず)

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