2017年11月19日(日)

貨物鉄道博物館に国内最古級の貨車が収蔵!

レポートドライバー / カルチャー

CBCラジオレポートドライバーの石坂窓花です。
三重県いなべ市に行ってきました。

2003年、三岐鉄道三岐線の丹生川駅に隣接して、日本で唯一の貨物鉄道専門の博物館「貨物鉄道博物館」が作られました。
この「貨物鉄道博物館」に、明治時代に作られたとても古い貨車が収蔵されたそうなんです。

詳しいお話を、理事の南野哲志さんに伺いました。

貴重な車両が保存された博物館

「貨物鉄道博物館」は、かつて全国各地で活躍した様々な種類の貨物貨車を主とした車両の展示を中心に、鉄道貨物輸送に特化した全国唯一の博物館なんです。
他ではなかなか見ることのできない貴重な車両もあるんですよ。

運営は、鉄道愛好家を中心としたボランティアスタッフの方が行っています。

貨物鉄道といいますと、液体などを運ぶ丸いタンクのものだったり、長方形の箱型のものなどいろいろありますが、それらの荷台そのものに車輪がついているものを”貨車”と言います。

屋外展示場には、1960年代に作られたタンク車や…

蒸気機関車、そしてその後ろには…

木製の貨車などが並んでいます。

実際に線路の上に展示してあるので、開館日には展示車両を動かして実際に乗ることもできます。

そしてなかなか見ることができない貨車の中も見せてもらえますよ。
また屋内展示場では、キッズコーナーや鉄道ジオラマ、鉄道図書コーナー、貨物鉄道の歴史パネル展示グッズ販売を行っています。

貨物鉄道を残したい

かつては鉄道貨物輸送が全国の至るところで行われていましたが、自動車の普及で、物流の主役がトラック輸送や宅配便に変わってきました。
全国的に鉄道貨物輸送が廃止・縮小されていく中で、輸送に使われていた鉄道車両も次々と廃車となりました。

産業文化遺産としても価値のある鉄道貨車が姿を消してしまう前に、何とか保存して後世に…貨物鉄道にあまり馴染みのないこどもたちにも、知っていてほしいという思いから、貨物鉄道専門の博物館になったそうです。

そしてJRグループを除き、貨物鉄道が残っているのが、この三岐鉄道だけなんだそうです。
ここに来れば昔の貨物鉄道、そして現役の貨物鉄道を見ることもできるわけですね。

そして今回、こちらに収蔵されたとても古い貨車。
1900年に関西鉄道四日市工場で製造された鉄製の貨車です。

全長4.5メートル、高さ2.1メートルの車体。
昔に作られたものなので、今のものに比べると小さいそうです。

年季が入っていると言いますか、上から錆びている部分もあって見ているだけで歴史を感じますね…

この貨車は四日市で製造された後、茨城で活躍し、60年代に引退。
それからは茨城で倉庫として扱われてきました。その時にブレーキや車輪は取ってしまったそうです。
現在は荷物を入れる部分だけが展示してある状態です。

四日市に里帰りした経緯

日本で鉄道による貨物輸送が始まったのは1873年。
多数の貨車を収蔵する貨物鉄道博物館でも最古の貨車、日本に現存する鉄道貨物の中で、最も古い可能性があるとのこと。

南野さんによれば、この貨車に皆さんに”見つけて欲しいもの”があるそうなんです。

鉄製の貨車なんですが、この貨車が作られた1900年、日本にはまだ鉄材がありませんでした。
そこで鉄材を輸入して日本で製造したんです。
この貨車には、外国の鉄材で作られたことを示す刻印が付いているそうですよ。
ぜひ見つけてほしいですね。

この貨車が博物館に収蔵された経緯は、四日市市立博物館で市政120周年を記念して『メイド・イン・ヨッカイチ展』が開かれた際に、四日市で生まれた貨車としてパネル展示がされていました。

そこでこの貨車が解体されてしまうという情報を聞いた南野さん。
ならば、ぜひこの博物館で保存をさせて欲しい、と茨城県の鉄道会社に問い合わせたところ快諾され、関東のボランティアスタッフの調査を経て三重県に里帰り…帰ってきてくれたんです。

そんな歴史ある貨車の中に、南野さんと入らせていただきました。

貨物鉄道博物館は月に1回の開館ですが、数点の実物車両は屋外展示のため、閉館日でも見ることができますよ。

毎月第1日曜日に開館で、午前10時~午後4時まで。
次回の開館は12月3日(日)ですので、ぜひ足をお運びください。
(石坂窓花)


貨物鉄道博物館
三重県いなべ市大安町
三岐鉄道三岐線丹生川駅前

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