2017年2月7日(火)

裁判官が黒い服を着ているのはなぜ?

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

できればお世話になりたくない場所のひとつ、裁判所。
訴えることも訴えられることも、できれば関わらず平穏な日常を送りたいもの。
裁判所の様子と言えば、テレビなどで開廷前に裁判官が居並ぶ様子を見たことのある方も多いでしょう。そんな中で気になったことがひとつ。
それは…裁判官はどうして黒い服を着ているのかということ。

裁判官の黒は格が違う?

理由を待ち行く方に聞いてみると…
「黒色は厳格な格式高い色だから?」
「きっちりしてるように見えるから?」
「公平を示してるから?」
「お葬式とか、ああいうイメージだよね黒は」
「礼服と同じように秩序を保つ色だから」
「他の色だと目がごまかされるから?黒だと気持ちが他に向かわないというか」
みなさんもご存知ないようです。
そこであすなろ法律事務所の弁護士・國田武二郎先生に伺ってみました。

まずあの裁判官が着ている黒い服、名前があったんです。

「通常『法服』と呼ばれる制服です。裁判所から支給されるもので、帰る時はそれぞれのロッカーにしまいこんで帰るということになっていますね」

ちなみにこの法服、裁判官だけでなく裁判記録をとっている書記官にも貸与されていますが、裁判官の法服の素材がシルクであるのに対して、書記官はコットン製ということです。格の違い、ですね。
この法服、必ず着用するものなんでしょうか?

「最高裁判所の規則に、『裁判官の制服に関する規則』という規程がございまして、裁判官は法廷において制服を着用するもの、と規程されております」

ドラマで見たTシャツ姿の検事は許されるの?

制服には男性用と女性用があり、それぞれデザインや色も決められているとのこと。
裁判官以外の検察官や弁護士の服装については「自由」となっているそうです。そういえばキムタクがドラマで演じていた型破りな検察官はTシャツ姿でしたが、いくら自由とはいえ一応品位は求められていますので、現実には注意は受けるとのこと。念のため。

さて法服は1890年(明治23年)から着用が義務付けられています。戦前には黒い服だけでなく、黒い烏帽子も義務付けれられていたそうです。黒の法服というのは長い歴史があるんですね。
では、どうして法服が黒色なのか?その黒色には次のような意味が込められているそうです。

「黒はですね、どんな色にも染まらないということから、裁判官としての気風を表していると。いずれにも肩入れしないで公平に忠実に裁く。そういう意味合いを色で表すと黒が一番適切だということですね」

つまり花嫁の白無垢とは逆の意味で、どの色にも染まらないという意思表明でもあったわけですね。
海外においても法服=黒という国がほとんどですが、中にはドイツのように赤色の法服を着用する国もあるようです。

実は私たちにも黒の法服、着用が義務付けられていたかもしれない?

2009年に始まった裁判員制度にちなんで、なんとこんな議論があったそうです。

「裁判員制度における裁判では、裁判員の方々も裁判官と壇上に並ぶわけですね。当初スタート時には裁判員にも裁判官と同じ法服を支給すべきだという意見もあったんですよ。ところが最高裁の公式見解では、現時点で裁判員に法服を支給することは考えていないということになって、今は普段着で来て下さいと(お願いしてます)」

もしかしたら、裁判員に選ばれたら着ていたかもしれない黒の法服。ニュースやドラマで見かけたら、一度その色に込められた意味を思い出してみましょう。

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