2017年11月10日(金)

90年代のトレンド「AMステレオ放送」ってどうなった!?

多田しげおの気分爽快!! / カルチャー

11月7日の『多田しげおの気分爽快!!』には、このようなおたよりを紹介しました。

「FMの電波でCBCラジオを聴いてみました。ステレオで聴こえてビックリしました」

普段から放送で「FMではきれいに聴こえますよ」と言っていた多田しげお。ここでかつてのあることを思い出して話し始めます。

AMステレオ放送とは

「CBCでは昔からステレオで放送してるんですね」

もしかすると、ここ数年でradiko.jpでAMラジオに接している方は、ご存知ないかもしれません。
現在販売されているほぼ全てのラジオ受信機では、AM放送はモノラルでしか聴くことができないのです。

しかし、今から25年前の1992年(平成4年)3月から、在京局をはじめ全国のAMラジオ16局がステレオ放送を開始しました。
AM波はFM波に比べて遠くまで飛ばすことができるのですが、その分音質を劇的には向上できない特性があり、放送業界では「AMラジオ最後の進化」とも言われました。

当時、国内の家電メーカーからAMステレオ放送が受信できるラジオ端末が多数発売されました。
FMラジオが文字情報を表示させていた「見えるラジオ」と並び、90年代初頭におけるラジオのトレンドでもありました。

AMステレオ放送衰退

AMステレオ放送を聴くために専用の受信機が必要だったことと同様に、それを送り出す放送局にとっても、スタジオや送信用に従来とは異なる仕様の機材が必要でした。

こうした機器はある一定の期間で更新されていくのですが、AMステレオ放送を開始してから最初の更新が行われた2000年初頭になると、ステレオ対応機器の多くが生産終了し、ほとんどの放送局が更新を機に、AMステレオ放送を打ち切らざるを得ない状況となりました。

今もAMステレオ放送が聴ける?

2017年11月現在、ステレオ放送を実施した16局のうち、12局は前述の理由で打ち切っています。
現在もAMステレオで放送しているのは、ニッポン放送、和歌山放送、ラジオ大阪、そしてこのCBCラジオの4局だけとなりました(局によっては親局のみの場合もあります)。

もし90年代に発売された専用受信機やカーラジオがまだ現役であれば、この4局のみが今でもステレオで受信できるので、そういった環境にある方はぜひお試し下さい。

今はFM化がトレンドに

2014年以降、AM局によるFM補完放送(通称「ワイドFM」)が各地に広がっています。

実はAM局がFM中継局を設置したのは、AMステレオ放送開始の前年、1991年に北日本放送(富山県)が初めてです。
近年になって行われているFM補完放送は、2011年に発生した東日本大震災がひとつの契機となっています。

AM波のほとんどの送信所が、電波の特性上、周りに山などの障害物のない平地に作られています。
東日本大震災ではその立地が仇となり、津波によって機能を停止した送信所もありました。
そのため、多くのAM局がその災害対策と近年の都市型難聴をクリアすべく、ワイドFMに乗り出したのです。

同じFMでも音質に差が

放送局によって音質に違いがあるのはご存知でしょうか?
人の声がよく聴こえるようになっていたり、高い音や低音が強調されていたりと、各局の技術マンが音調器によって最終的な音質をチューニングしているのです。

こうした調整はAM波でも行われているのですが、音質が劇的に向上したFM化によって、各局の違いがさらに顕著となっています。
興味のある方は、ぜひワイドFM受信機でお確かめください。
(編集部)

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