2017年11月7日(火)

【エッセイ】スタジオを凍りつかせた、中継先のあの一言。

RadiChubuスペシャル / カルチャー

10月のうちにradikoプレミアムで、全国のAM局が聴けるようになってしまった。
んで、ボーッとしてあちこちのラジオ番組聴いているうちに、この連載をサボってしまいました。
でも、すごいよ。日本全国、いろんなラジオ番組があることを改めて思うのです。

やたら低いトーンの占いコーナーとかやってる朝の番組を聴きましたよ。

普通「ラッキーアイテムは、パンケーキっ!」とか明るいトーンで言いそうなところを「ハイ、ラッキーアイテム、パンケーキです⤵︎」みたいな感じ。俺はパンケーキを食わない方がいいのか、それはラッキーなのか。
もうなんだかわからない。明日も聴こう。

悪ふざけと悪意なき一言

しかし数年前、冗談で「radiko参加局ビンゴ」なんてアホな遊びを考えてしまった私ですが、本当にビンゴカード、全部穴が空いちゃいました。結婚式の二次会だったらハンディ掃除機とかもらえそうなものです。

しかし、こういう悪ふざけをしていると「お前な…」と同業の諸先輩に窘められ、後輩からは「おじさんさぁ」と呆れられるのです。

でも、そんな私でも怖いと思うのは「悪意なき一言」です。
日常生活でも「この人の発言は、要注意」な感じとでも言いましょうか。

ある番組のスタッフルームに、時折ゲスト出演されている方が打ち合わせか何かでお越しになり「みなさん、こんな雑多な場所でお仕事されているんですね」と。

多分、本当に悪意はないんだと思います。雑然と資料や機材が置かれている部屋、そう思うのも当然です。が「雑多な」って。そこに半分住んでるヤツもいました。

「Aさん」の声は「Bさん」の声。

とは言え、それとて放送では流れない場所での話。
生放送中に、それも喋り手から発せられた「悪意なき一言」が、聴取者を、そして周囲を凍りつかせたことがあったそうです。
ナマ番組の中の交通情報。

スタジオのパーソナリティーが、台本に書かれた交通情報センターの担当者の名前を見ると、見慣れない名前。
新しい方か、それとも何か理由があって、普段はこの時間に出演しない人が担当しているのか。でも、指示通り「情報センターのAさん、お願いします!」と呼びかけます。

ところが、聞こえてくる声は、いつもの女性、Bさんの声。
彼女はいつも通りの口調で渋滞箇所や通行規制を伝えています。

間違いない、Bさんだ。指示が間違っていたか。
いや、あるいは、もしかしたらそういうことか。
そこでパーソナリティーは交通情報の後に、改めて呼びかけてしまいます。

これが不幸の始まりでした。

Aさん「…以上、交通情報でした」
パーソナリティー「あれ?このお声は!Bさんですよね!お名前がAさんに…ということは、もしかして…おめでとうございます!」
Aさん「…いえ、あの、実はその逆でして…」
パーソナリティー「…えっ?」

…一瞬沈黙するパーソナリティー。ブースの外にいるスタッフも沈黙。皆まで言うな。
全てを察したパーソナリティーは体制を立て直し、プロとしての冷静沈着にマイクに向かって声を発した。

「…交通情報はAさんでした」

その後、スタジオの中がどうなったかは私は知りません。
番組はそのままCMに入ったそうです。


河野虎太郎
放送作家。担当番組のゲストに呼びたい人がイベント会場でブースを出していると知り、慌てて自宅を飛び出し会場へ。「番組に出てください!」と直訴。無事ご快諾をいただく。

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