2017年10月3日(火)

なじみの店を持とう!いま見直されるスナックのススメ

北野誠のズバリサタデー / カルチャー

話題の本の著者や話題の人にインタビューを行う「ズバリこの人に聞きたい」。

9月30日の放送では、『日本の夜の公共圏:スナック研究序説』(白水社)の著者、首都大学東京の谷口功一教授に北野誠が話を伺いました。

この本は、谷口先生が他の教授に声をかけ、行政・刑法・文学史など様々な分野から、スナックについて大マジメに論考してできあがったものです。

ガールズバーなど今やさまざまな業態がある中、古い形態と思われるスナックになぜ今、注目したのでしょうか。

奥深いスナックの世界

まず、大学の先生がスナックを研究したきっかけについて、北野が尋ねました。

谷口先生自身がよくスナックに飲みに行っているのだそうですが、「ある日飲んでいて、『スナックって何なんだろう?』とふと思い、家に帰ってから調べてみたのですが、調べれば調べるほど分からなくなり、いつの間にか研究するようになっていった」のだそうです。

学者9人で飲みに行ってるだけと誤解されそうですが、サントリー文化財団の支援を受け、レジュメを作って1時間ほどの報告会を開き議論を行っていたそうで、その成果が出版という形になったというわけです。

では、そもそも「スナック」とはどういう店のことを指すのか、明確な定義はあるのでしょうか。

谷口先生によると、例えば美容院だと免許の問題があるので、件数がハッキリ分かるのですが、スナックは公式な分類はないために、統計上ではバーと同じ、「深夜飲食類提供店」というくくりになるとのことです。

カウンターがあって、ママがいて、チャージでボトルを入れて、日本ではだいたいどこでも3,000円ぐらいの値段で設定され、横についてお酌をするという接待行為はできず、カラオケがあるという形が一般的です。

意外と知らないスナックの歴史

谷口先生によると、スナックという業態が出だしたのは、東京オリンピックの頃というのはハッキリわかっているらしく、以前は深夜喫茶、スタンドバーというものがありましたが、不良が溜まり社会問題化していました。

そこで、風俗浄化の目的で風営法を改正し、深夜営業を禁止にしました。

ただ、食事を提供すれば深夜営業は許可されたため、サンドイッチにラップをかけて置いておけば、警察が来ても「ウチは飲食を提供している」と言えば良いため、深夜でも営業できるバーとして「スナックバー」というものができたのが始まりだそうです。

スナックが多いと治安が良い?

北野が『日本の夜の公共圏:スナック研究序説』を読んで気になったのは、「スナックが多いと治安が良い」という箇所です。
いったいどんな根拠で導き出されたのでしょうか。

谷口先生は、「これには説明が必要で、例えば新宿の歌舞伎町のように、スナックの多いところが治安が良いというわけでない」と前置きしつつ、他の先生がNASAから人工衛星写真を取り寄せて調査したところ、「光が少ない(=あまり繁華街や住宅がない)ところだが、スナックがある場所は犯罪が少ない」というものです。

谷口先生はスナックの利点として、地域のコミュニティに関わりやすく、生活情報を聞くことができることを挙げ、さらに「家でも職場でもない第三の場所、社交場として」楽しむことを提案され、「住んでる所の近くに一度行ってみてはいかがでしょうか」とお勧めしました。

北野は「ボーリング大会などの写真が貼ってたり、誰かが行った旅行のお土産が飾られていることもありますし」と語り、確かに居酒屋などでは得られないコミュニティが形成されていることが分かります。

さらに「年を取って、家で奥さんに嫌がられている男の人は、なじみのスナックと小料理屋を1件持っといた方がいい」と、東新町のベテランらしいコメントを残しました。
(岡本)

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