2017年9月26日(火)

『カメジローに会いに来て!』TBS佐古忠彦が初監督作を語る。

石塚元章 ニュースマン!! / カルチャー

『石塚元章 ニュースマン!!』、9/23の「21世紀の賢者たち」にTBSの佐古忠彦さんが登場しました。

佐古忠彦さんといえば、報道番組『筑紫哲也 NEWS23』のキャスターだったことで、ご存じの方も多いと思います。
このたび佐古さんがドキュメンタリー映画『米軍が最も恐れた男、カメジロー』を初監督されました。

すでにこの映画、沖縄や東京で大ヒットしていますが、名古屋でも封切られます。そこで佐古さんに映画にかける思いなどを、石塚元章が伺いました。

カメジローって誰?

―瀬長亀次郎という政治家が沖縄にいました。戦後、那覇市長や沖縄選出の国会議員をしました。彼はどういう人でしたか?

戦後の沖縄の占領下において、弾圧を恐れて、なかなか人は正直な声をあげられなかった。しかし、それをあえて正面から権力側に向かってNO!と叫び続けた人です。

占領下は暗黒時代といわれましたが、あの時代において民衆にとって希望の光でした。演説は人の心をわしづかみに。存在感の大きさはずば抜けていました。

知られざる沖縄戦後史

―映画の中で、何を一番訴えたいですか?

辺野古など、沖縄問題のニュースは日々いろいろありますが、日々のできごとの瞬間を切り取るだけで、どうも全体像が伝わってないという思いがありました。

それは、本土の人の認識の中から、沖縄の戦後史がすっぽり抜け落ちているからだろうと思いました。

沖縄の戦後史を知れば、なぜ今沖縄の人が声を上げ続けているかという、問題の核心部分に近づけるのではないかという気がしました。

本土で平和憲法が手に入り、どんどん経済が復興して、いい国になっていく。だけどその一方で、沖縄では人権無視の状態がずっと続いていた。そこに何とか触れたいと思いました。

沖縄戦後史の主人公のひとりであるカメジローという人を通して、そこに行けるのではないかという思いがありました。

沖縄であったこと

―僕ですら、なぜ沖縄の人は今ああいう考え方とか、発言の仕方をされるのかとか思いますが、そのベースがここにあったのだと、腹に落ちた感じがしました。

沖縄戦では自分たちも日本軍のひとりだと、日本のために戦っていた。それが、壕に隠れていたらそこから追い出される、虐殺される住民もいた、そういう証言がたくさんあります。

その後でアメリカ軍が入ってきた。日本軍から解放してくれた解放者というイメージをもっていた人もけっこういたらしいです。ところが徐々にアメリカ軍の愚行が明らかになり、これは占領者ではないかと認識が変わっていきます。

共産圏との冷戦を背景に、無理にでもどんどん基地を作り続けていく、沖縄とアメリカの関係がそういう方向に向かっていく、その中にいたのがカメジローという人物でした。

「カメジロー」と呼び捨て?

―カメジローの人物像はどこが素晴らしかったのでしょうか。

カメジローという人は、「民衆という海の中を泳いでいた。常に民衆であり続けようとした」という解説があります。

常に目線を低く、民衆と共にあり続ける、そういう人です。
「瀬長さん」とか「カメジローさん」でなく、「カメジロー」と呼び捨てなんです。
そこに民衆との距離感の近さを感じます。

歴史を見れば、今の沖縄がわかる

―一番訴えたかったことを一言でいうと。

歴史を見れば今が見える、ということではないでしょうか。

よく本土と沖縄の間の溝、温度差といわれます。「また反対している」というような、一部分を見て批判があがる時がありますが、知らなかったものに近づけば、そういう溝は少しでもなくなるのではないかと思います。

カメジローに会いに来て!

最後、佐古さんは「ぜひこの魅力的なカメジローに会いに来てください」と語りかけました。

このエリアでは、名演小劇場で9月23日から上映中です。音楽は坂本龍一さん、ナレーションは大杉漣さん、元NHKの山根基世さんなどが参加しています。

「沖縄のことがわからないという人も多いと思います。この映画を見ると、ああそういう歴史的な背景があったのか、とわかる気がします」

このように石塚がインタビューを結びました。
(みず)

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